GEORGE JACKSON


  21世紀に入りシンガーとしての魅力を再認識され始めると一気に「Southern Soul SInger」の最重要シンガーのひとりとして注目を浴びた人、一度聴いて直ぐにその魅力に填ったシンガーです




【George Jackson】 (March 12, 1945 〜 April 14, 2013)

 ジョージ・ジャクソン、サザーン・ソウル・ファンならば彼の作った曲のいくつかは必ず聴いたことが有るほどソング・ライターとしては有名な人。アラバマ州のマッスル・ショールズと地名を聞くだけでソウル・ファンにはそのサウンドが判るほどに個性豊かな土地に在るスタジオ、 Fame Label (Florence Alabama Music の略) 創設者 Rick Hall が作ったフェイム・スタジオ。このスタジオで録音するシンガーたちに多くの曲を提供してきたジョージ・ジャクソン。
 フェイム以外にもサザーン・ソウル・ファンお馴染みのHiやGoldwaxなどメンフィスのレーベル契約者達にも曲を提供しています。
 ソング・ライターとしての方で有名ながらも`63年〜`85の間に自ら歌唱のシングル・EPを20数枚発表していました。(日本でも出ており、わたしが確認している日本盤シングルは`69年"Find 'Em, Fool 'Em And Forget 'Em=黒いアドバイス"(Fame原盤Capitol東芝音工)と`72年"Aretha, Sing One For Me= アレサ・シング・ワン・フォー・ミー"(Hi原盤Londonキングレコード)ですが当然出ていた事すら知らなかったです。アメリカではR&Bチャート下位の方に後者が登場した様です)
ただ、それらのアナログ盤時代にはシンガーとしてフィーチャーされることはなく、ソングライターとしての知名度だった為、当然アルバム発売も無く「歌手・ジョージ・ジャクソン」としての認知度はごく一部のファンのみだった時代でした。

 CD時代に突入してしばらくしての1993年に自身名義のアルバム『Heart To Heart Collect』がひっそりとイギリスで発売されていましたが、認知度は低いまままでした。。
 その後21世紀に入りイギリスから、シンガーとしてのジョージ・ジャクソンを再認識する動きが漸く広がり始め、『George Jackson in Muscle Shoals』というアルバムが発売され、そのタイトルに「Muscle Shoals」という語が入っていた事が功を奏したのか?(少なくともわたしがそうで、アルバムを買い、即好きに成ったのです)多くのサザン・ソウル・ファン注目のシンガーと成っています。
 そして徐々にジャージ・ジャクソンのCDアルバムが出てくるように成りました。出れば即購入していて年月も経ち、目にしたのが意外な訃報....2013年4月13日にがん闘病の末亡くなっていたとの事です。



Heart To Heart Collect HEART TO HEART COLLECT
1993 CD UK Black Grape BGCD 100

1. Struggling Lady
2. Heart To Heart Collect
3. If It's Love You're Trying To Fight
4. I Want That Love Back
5. Back In The Streets Again
6. Anything To Prove My Love
7. Lonely Women
8. Put On Me What You Put On Him
9. Cafe Woman
10. Club House Blues

 1991年3月3日にミシシッピー州パール市のIRSスタジオで録音され1993年に発売されたジョージ・ジャクソン初のアルバム。ただ、発売はイギリスのBlack Grape レーベルからで本国では未発売でした。わたしとしては彼の死後にようやく入手したアルバムです。
 作曲家として、Gold Wax、Fame、などに続き1983年からMalacoに籍を置いて活動をしていた為、収められた楽曲の著作はすべてマラコ・ミュージックと成っていました。
 バック・ミュージシャンもマラコ系の布陣なので`70年代からのサザーン・ソウルどっぷりサウンドとは若干違うサウンドに成っています。"Put On Me What You Put On Him" などはシカゴ・ソウル的でオーティス・クレイを思わせます。
 その中で最も`70年代の頃に近い曲は7曲目の "Lonely Women" に成るのでしょうか?・・・という訳でこの曲が全曲中わたし一番の好み曲です
 "Struggling Lady"、"If It's Love You're Trying To Fight" の2曲はカップリングで Malaco系Hep' Me レーベルから1992年にジョージ名義でシングル化された物でリトル・ミルトンがカヴァーしていた曲。
 このアルバムは二年程の遅れですが発掘系アルバムでなく、通常の発売形態のものです。この時点では幅広いソウル・ミュージック・ファンの話題には上らなかったと記憶しています。彼の魅力が知れ渡ったのはやはり2000年代に入ってから`60年〜`70年に残した多くの曲と歌唱が発掘されたことが主たる要因でしょう。


In Muscle Shoals
IN MUSCLE SHOALS
2002 CD UK Grapevine GVCD 3003

1. Help Me, I'm In Need
2. Sweet Things
3. If I Could Open Up My Heart
4. Messin' With My Mind
5. Can't Let My Family Down
6. Searching For The Right Words
7. Love, I Thought I Would Never Find Love
8. Cheatin' In The Next Room
9. Since You Came Into My Life
10. When Love Is For Real
11. Nothin' But A Good Love
12. It Takes A Storm To Make A Rainbow
13. The Weekend
14. Slippin' On Your Love
15. Unlock Your Mind
16. For The Sake Of You
17. I Don't Do Windows
18. Make You Mine
19. Down Home Blues
20. A Knight In Shining Armour

 一番最初に買った彼のアルバムで発売から1〜2ケ月前後で購入しています。上記で書いた通りイギリスで発売され、一部のマニアのみのシンガーから多くのサザーン・ソウル・ファンに彼の歌手としての魅力を広めた記念すべきアルバムでしょう。未発表デモ音源集ですが、一聴でハマったアルバムです。
 収められた楽曲の著作はここもマラコ・ミュージックですが、バックのリズム隊はマッスル・ショールズ・スタジオの面々で、満足のサウンドです。
 多くの曲は南部のソウル・サウンドですが "Down Home Blues" は完全ブルース曲で、Z. Z. Hillが吹込み1982年にMalacoレーベルから同名タイトルに収録して発売しブルースの名盤として好セールスを記録しています。また "Make You Mine" は聴き用によってはディスコ・ナンバー風にも聞こえる曲です。


 What Would Your Mama Say? WHAT WOULD YOUR MAMA SAY?
2005 CD UK Grapevine GVCD 3026

1. Without You
2. (Ain't Nothing Like A) Sweet Woman's Love
3. Fallin' Back In Love
4. Make You Feel Love Again
5. What Would Your Mama Say
6. I Know She Misses Me
7. Lovin' You
8. Till I Find Some Way
9. As Long As I Can Count On Your Love
10. Feed The Hunger For The Night
11. I Wish I Could Be Your Lover
12. You're In Love
13. Song And Dance Man
14. A Little Taste Of Outside Love
15. Love Vibrations
16. Another Woman Involved
17. Just Can't Make It Without You
18. New York Woman
19. All That Time We Could Have Been In Love
20. The Only Way Is Up (Radio Edit)
21. No Mess Off Nobody
22. In Between Drinks

 再びGrapevineからのリリースで録音はラスト曲を除きアラバマのマッスル・ショールズ・スタジオ。22曲目のみミシシッピー州にあるマラコ・スタジオでこのアルバムもデモ音源集に成っています。
 バックは当然 Muscle Shoals Rhythm Section なので期待通りの作品群です。
 前作に比べて若干ポップ寄りの曲が少し多めです。特にタイトル曲などもそうですが、自身で歌うよりも他の歌手用に作った曲のデモ音源なのでしょうか。
 "I Know She Misses Me"、"Feed The Hunger For The Night"あたりはバラード・タイプで、前者はマラコ・サウンドその物、後者はカントリーっぽさを感じます。
 いくつかの曲は他シンガーが録音発表しているのでしょうが、そこの所は詳しく知りません。
"A Little Taste of Outside Love" は Millie Jackson が 『Feelin' Bitchy』 内で取り上げています。ミリー・ジャクソンはすべてのアルバムを持っている程、シンガーとしては大好きなのですが、(どこかに書いた記憶ありますが) 下品度を増した80年代後期以降は「Ladyらしく」振舞って欲しいと思う様に成っています。また "Love Vibrations"、"Another Woman Involved" は女性シンガーMarjorie Ingram が出していました。
マラコ・スタジオで録音されたラスト曲は、じっくりと聴かせるソフト・ソウルで聴き物です。
 尚、この時期迄に出されていたシングル25枚とアルバム3枚のタイトル・レコード番号を記したディスコグラフィーが載っています。


Can't Be Satisfied: The Xl And Sounds Of Memphis Story CAN'T BE SATISFIED: THE XL AND SOUNDS OF MEMPHIS STORY
2007 CD UK Kent Soul (Ace) CDKENT-283

9. Talking About The Love I Have For You
19. Walking The City Streets

 `70年代、`80年代の Kent はブルース系の埋もれ曲発掘を推し進めていたレーベルの記憶が有りますが、最近はソウル部門を作りこちらの発掘に移っていました。
 "Talking About The Love I Have For You" は ER-Music (ERM-101) として出たシングル、"Walking The City Streets" は未発表曲。個人的には後者の方が好きです。
 こうしたオムニバス形式のコレクションアルバムの収録曲は他の同形式アルバムも含めて別のページで書いています


 Take Me To The Rivera Southern Soul Story 1961-1977 TAKE ME TO THE RIVER
A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977

2008 3×CD UK Kent KENTBOX10

Disc-3
18. How Can I Get Next To You?

 アメリカは広大な土地を持つ国なのでネット環境の無い時代、一部の地域でシングルがヒットしても他の地域でもヒットしないとアルバム発表までに至らない事が常だったようです。ソウル関係に限らずポップスやカントリーでも`60年代、`70年代には埋もれたシングル曲が一杯あり、その様な曲を探すのに寄せ集めのコレクションアルバムはわたしにとって有難い存在でした。ソウル系とオールディーズ物は沢山この手のアルバムを購入してきました。
 この三枚組のアルバムも75曲の音源が収められており小ヒットした曲も有りますが、そうでない曲も有ります。ジョージ・ジャクソンのは1974年にMGMレーベルから出ていたシングルA面曲が収めれていました。
 また72ページに及ぶブックレット形式の説明文が有りますが、頑丈に作られ過ぎて、ガバッと広げ様ならば「閉じ」部分の糊が剥がれそうで読む事出来ません。ペラペラの紙形式の方が良かったですね。



Play The Game: The Xl and Sounds Of Memphis Story Vol.2 PLAY THE GAME: THE XL & SOUNDS OF MEMPHIS STORY VOL.2
2008 CD Japan P-Vain (Ace) PCD-17278
  (Basic Disc : K Kent Soul (Ace) CDKENT-298)

1. All In My Mind
14. I Don't Need You No More

 「XL & SOUNDS OF MEMPHIS」の第二集、今回買ったのは直輸入盤国内仕様のCDで短い解説と歌詞が記されていました。 解説の鈴木啓志氏によると "All In My Mind" はクレジットはジョージ・ジャクソンだが別人だとの指摘です。恐らくそれに間違いないと思われます。(P-Vainの日暮泰文氏と共に個人的には『The Blues』誌を愛読させて頂いた事からブルース系著者のイメージが強い人たちですが、黒人音楽全般を愛した方たちだったのですね) "I Don't Need You No More" はER-Music (ERM-101) として出た同シリーズ第一集 (上記) 収録のシングルB面曲。A面よりも絶対にこちらの方が良い曲です。


In Memphis 1972-77
IN MEMPHIS 1972-77
2009 CD EU Kent Soul CDKEND 329

1. Aretha, Sing One For Me
2. Things Are Getting Better
3. Talking About The Love I Have For You
4. Let's Live For Ourselves
5. If You Never See Me
6. How Can I Get Next To You
7. All In My Mind
8. Walking The City Streets
9. Dear Abby
10. A Woman Wants To Be Loved
11. I Don't Need You No More
12. Let Them Know You Care
13. (If I Could Get On That) Soul Train
14. You Can't Run Away From Love
15. Take Your Love And Go
16. Smoking And Drinking
17. Willie Lump Lump
18. She Can't Replace The Love I Have For You
19. Macking On You
20. Patricia
21. We've Only Just Begun

  こちらもKentレーベルが出した発掘音源集でオムニバス物ではなくジョージ・ジャクソン集です。
Hi、MGM、Chess、ER Music などから発売されていたシングル曲と未発表曲が収録されています。
シングル盤の写真が数点載っていますが、Hi 音源ながら英国での販売元 London レーベルの盤が載っているのが懐かしくて嬉しいです。トップがシングル盤として日本でも発売されていた ";Aretha,Sing One For Me (アレサ・シング・ワン・フォー・ミー)" で始まります。サザーン・ソウルどっぷりの凄い曲で、やっぱり Hi レーベルだ!当時聴いていたら・・・と「タラレバ話」に成って終います。`72〜`73年当時のわたしは既にそこそこのオールジャンルを聴いては居ましたが、黒人音楽に関してはデトロイト、シカゴなどでのR&B系とシカゴやテキサスのブルースなどに留まっていた時代でした。サザーン・ソウルにハマったのは`75〜`76年頃からでした。
2曲目 "Things Are Getting Better" も素晴らしい曲、ブルース系の Chess から出ていたシングルですが、出版は Fame と成っています。明らかに Fame のサウンドです。
 また、淡々と歌うことが多い彼ですが "Let's Live For Ourselves" は結構張り切って歌っておりこの曲もお気に入りです。


 All Because Of Your Love
ALL BECAUSE OF YOUR LOVE
2010 CD EU Soulscape Records SSCD 7024

1. Sweet Surrender
2. My Heart Won't Let Me Forget
3. There's So Much More Where This Came From
4. Can't Break The Habit
5. Play Something Pretty
6. Back Track
7. I Get A Rockin' Good Feeling
8. Instant Replay
9. All Because Of Your Love
10. Can't Make It Without You
11. Can I Take You Home
12. Hey Miss Lady
13. You Gave The Best Performance Of Your Life
14. I Was Trying Not To Break You Down
15. Old Time Rock And Roll
16. Your Love Is Working On Me
17. Let The Funk Flow
18. Disco Granny
19. Fast Young Lady
20. Funky Disco Music 

 イギリスから広がったジョージ・ジャクソン・ファンの増加もこの頃には日本のソウル・ミュージック好きの人たちにも有名な名前に成っていました。このアルバムは Soulscape レコードというイギリスのレーベルからの物でドリス・アレンの編集盤アルバムなどを出していた発掘系会社です。
 アルバム内でシングル盤が出ていたのは1979年発売の "Fast Young Lady / Funky Disco Music" カップリング2曲で他は提供用に録音していたデモ音源と成っています。 カバージャケットの彼の写真が明らかに若い頃の物でちょっと嬉しいですね。
 すべての曲の録音者を勿論知りませんが、知っているのでは先ず、トップの "Sweet Surrender" はオリー・ナイチンゲイルが歌った曲とは同名異曲でした(あちらはディヴィッド・ゲイツ作)。そしてボブ・シーガーが吹き込んでシングルがBB誌ポップ・チャートに30位以内に食い込んだ "Old Time Rock And Roll"。またタイトル曲 "All Because Of Your Love"はタイロン・ディヴィスやオーティス・クレイが吹き込んでいた曲です。
これらの曲以外では2曲目の "My Heart Won't Let Me Forget" が好みです。
 発売自体遅ればせながらも最初に録音したのはジョージ・ジャクソンですので、じっくと彼の曲として聴き続けると彼の多彩な才能の素晴らしさに驚かされます。


The Goldwax Story Volume 3 THE GOLDWAX STORY VOLUME 3
2010 CD EU Kent Soul CDKEND 335

11. Don't Wake Me Up
18. I Can See Sadness Ahead For Me

 `60年代にGoldwaxに吹き込まれた音源のコンピレーションで同時期にシングル発売された曲が9曲、`90年代に一度発掘された曲が1曲、そして2010年に未発表曲として収録されたのが14曲でそのうちの2曲がジョージ・ジャクソンの物です。
一曲目の方はまぁ普通ですが、"I Can See Sadness Ahead For Me"の方は珍しくブルース調で個人的には凄く気に入った曲でした。作者がジョージ名義でクレジットされているので間違いないでしょうがホント意外な曲でした。(収録曲の中には作者不詳、歌手名不詳といった曲が数曲収録されているほどに無数の音源から掘り起こされた曲集の様です))


Steppin' Stone: The Sounds Of Memphis / Xl Story Vol.3 STEPPIN' STONE: THE SOUNDS OF MEMPHIS / XL STORY VOL.3
2010 CD UK Kent(Ace) CDKENT-339

5. How Can I Get Next to You (Alternate Vocal)
16. Love Trying to Come

 「XL & SOUNDS OF MEMPHIS」の第三集、"How Can I Get Next to You" は Sound of Memphis の親会社MGMから`74年に出たシングルの別テイクとの事。 "Love Trying to Come" は初出曲の模様。淡々と進む南部サウンドです。


Don't Count Me Out. The Fame Recordings Volume 1
DON'T COUNT ME OUT. THE FAME RECORDINGS VOLUME 1
2011 CD EU Kent Soul CDKEND 363

1. Search Your Heart
2. I Can't Do Without You
3. Greedy Over You
4. 3-F Blues (Find 'Em,Fool'Em And Forget'Em)
5. Getting The Bills (But No Merchandise)
6. Let's Stop Hurting Each Other
7. Bite The Hand That Feeds You
8. I Can't Leave Your Love Alone
9. I Want You So Bad
10. Stuck On Her
11. Don't Count Me Out
12. You Can't Make It No Better
13. Talking In Your Sleep
14. Statue Of Soul
15. The Feeling Is Right
16. Greasy Two By Four
17. You're At The Right Table
18. Let's Make It A Deal
19. Back In Your Arms
20. Love Without A Future
21. She's Rated G
22. You're Gonna Need Me Again
23. Evidence
24. I Can't Love Without You

 Fame に残されていたジョージ・ジャクソンのデモ音源集。多くの曲が他のシンガーによって発表されている曲の作曲者本人の音源。トップの曲以外は未発表音源という事です。
その "Search Your Heart" はウィルソン・ピケットに提供した曲で彼のこの音源は同年(2011年)にジミー・ヒューズなどの曲と一緒に4曲入りEPとしてタイトルを "The Stars Of Fame" と付けてKentから出ていた用です。もう、誰に提供したとかどうとかよりもジョージ・ジャクソンの曲を彼が歌っている・・・、凄いの連続、満足の一枚です。
 ※わたしは出て直ぐに洋盤を買っていますが、日本盤のうち翌年ディスク・ユニオン経由で購入した人のみ先着順でおまけのシングル "Back In Your Arms / Love Without A Future" が付いていた様です。



 The Fame Studios Story 1961-1973
THE FAME STUDIOS STORY 1961-1973
2011 3×CD EU Kent KENTBOX12

DIsc-2
24. Search Your Heart
Disc-3
7. Find 'Em, Fool 'Em And Forget 'Em
16. Double Lovin'

 上記の方で書いた『TAKE ME TO THE RIVER - A SOUTHERN SOUL STORY 1961-1977』と同じシリーズの南部ソウル発掘アルバムで、ブックレットなども同じ装丁です。
 "Search Your Heart" は 『Don't Count Me Out. The Fame Recordings Volume 1』 に収録された曲。"Find 'Em, Fool 'Em And Forget 'Em" は邦題「黒いアドバイス」として日本で最初に発売された経緯のあったシングルで聴きたかった曲です、`69年の日本では確かに話題に成らなかったのは解ります。"Double Lovin'" は未発表音源との事。



Halll Of Fame Rare And Unreleased Gems From The Fame Vaults HALLl OF FAME
RARE AND UNRELEASED GEMS FROM THE FAME VAULTS

2012 CD UK Kent Soul CDKEND 372

24. For You

 Fameレーベルに吹き込まれた無数の音源による発掘集。ジョージ・ジャクソンの曲はキャンディ・ステイトンのFameにおける第一弾シングルB面曲で作者ジョージがデモ音源として吹き込んだ曲で、スタジオではなくジョージの自宅録音だと記されています。確かにピアノの伴奏だけで歌われていますが曲の良さは充分伝わってきます。


Lost Soul Gems From Sounds Of Memphis LOST SOUL GEMS FROM SOUNDS OF MEMPHIS
2012 CD UK Kent Soul CDKEND 378

14. Things Are Gettin' Better
22. It's Hard To Say No
  (George Jackson and Linda Lucchesi)

 映画会社系MGMレコードのサブ・レーベルだった「Sounds Of Memphis」に残された貴重音源集。ジョージ関連は2曲あり、 "Things Are Gettin' Better"は1975年のシングル。、"It's Hard To Say No"は未発表曲の様です。


 Let The Best Man Win: The Fame Recordings Volume 2
LET THE BEST MAN WIN: THE FAME RECORDINGS VOLUME 2
2012 CD EU Kent Soul CDKEND 380

1. Mini Skirt Minnie
2. Get It When I Want It
3. I'm Just A Prisoner
4. Victim Of A Foolish Heart
5. Two Wrongs Don't Make A Right
6. I Bit Off More Than I Can Chew
7. Let Me Comfort You
8. Forbidden Love
9. Looking For Some Action
10. Save Me
11. Let The Best Man Win
12. Hit & Run
13. I Lived Through A Losing Battle
14. Hold That Feeling
15. My Nerves Fail
16. Love Came Knocking At Your Door
17. Pollution
18. It's Not Safe To Mess On Me
19. Soul Lovin'
20. Your Love Lifted Me
21. I'm Living Good
22. The Darkest Hour Is Before Dawn
23. You Got A Lot To Like
24. Ain't That Some Good Lovin'
 
 Fame に残されたデモ音源集の第二弾。個人的にはキャンディ・ステイトンのページも書いているので "I'm Just A Prisoner" の本人歌唱が聴けるのは嬉しいです。
 "I Lived Through A Losing Battle" は誰に提供したのかは知らないのですが、凄く良い曲なのでキャンディ・ステイトンなどに歌って欲しかった曲です。


 VINTAGE SOUL GROOVE -HI COLLECTION-
VINTAGE SOUL GROOVE -HI COLLECTION-
2012 (2014?) CD Japan Ultra-Vybe CDSOL-1535

18. Aretha, Sing One For Me
 
 日本編集のHiコレクション物。このカバーデザインは個人的には大好きです。`70年代のメンフィスではこのデザインを思い浮かべないでしょう。ウィリー・ミッチェルのコンボは主体のリズム系・ナンバーが選曲されています。ジョージの曲はアメリカで小ヒットした曲で日本でもシングル化されていた72年発表作。
 既に英Kentから出ていたジョージのアルバム『IN MEMPHIS 1972-77』に収録されていた曲です。


 Old Friend: The Fame Recordings Volume 3
OLD FRIEND: THE FAME RECORDINGS VOLUME 3
2013 CD EU Kent Soul CDKEND 408

1. It's Up To His Woman
2. I'm Holding On
3. I'm In The Middle Of A Good Thing
4. It Ain't Nothin' Like When
5. Break Away From Me
6. Don't Let A Good Thing Go To Waste
7. I Got My Own Style Of Lovin'
8. Just Another Day
9. Superstitious Woman
10. If You Ain't Here
11. You Got To Make A Decision
12. We Got The Perfect Love
13. Doesn't It Make Sense To You
14. All He Can Do Is Love You
15. Heart On A String
16. Bad Case Of Love
17. Add A Little Sunshine
18. Your Love Caught Me Off Guard
19. Gotta Have Soul
  { George Jackson & Marjorie Ingram}
20. Old Friend (You Ask Me If I Miss Her)
21. Switch Tracks
22. Two Legs And A Red Dress
23. That From The Heart
24. Won't Nobody Cha-Cha With Me (Home Demo)
 
 Fame に残されたデモ音源集の第三弾アルバム、ここでもキャンディ・ステイトンへの提供曲 "Heart On A String" が目にとまります。今回はジョージが作者の中にクレジットされていない曲が数曲ありました。トラックでは1、6、21、22です。Dan Greer は関わり合いが有るのは解りますが、Obie Burnett McClinton はジェームス・カーの絶品アルバム『A Man Needs a Woman』のタイトル曲の作者です。恐らく Goldwax時代からの付き合いだったのでしょうね。
前二作と比べると流石に若干、満足度は落ちますがそれでも味わいのある彼らしい曲で超貴重音源です。
 このシリーズ三作共に使われているジョージの写真で着ているカーディガンがすべて同じです。
三作目のカバーではジャケットを着ていますが中にカーディガンが見えます、そしてどのアルバムも中に使われている写真は同じカーディガン姿です。彼はFameスタジオを訪れるときはこの姿だったのでしょうか・・・


Hall Of Fame Vol 2 More Rare And Unreleased Gems From The Fame Vaults HALL OF FAME VOL 2
MORE RARE AND UNRELEASED GEMS FROM THE FAME VAULTS

2013 CD Japan P-Vine PCD-17545
  (Basic CD Kent Soul (Fame) CDKENT-386)

5. Take Me Back
9. I Smell A Rat

 Fame音源発掘集の第二弾、ジョージの収録曲2曲は共に、同名異曲が多いと感じるタイトルですが彼のオリジナル。前者はBrothers Unlimitedが`70年に出したアルバムに収録されていた曲で、後者はClarence Carterの`69年シングル用の曲。どちらもデモ音源です。


Hall Of Fame Vol.3 More Rare And Unreleased Gems From The Fame Vaults HALL OF FAME VOL.3
MORE RARE AND UNRELEASED GEMS FROM THE FAME VAULTS

2014 CD EU Kent Soul (Fame) CDKENT-410

17. I Don't Want To Know

 Fame音源発掘集の第三弾、今回も殆どが未発表音源でジョージの曲は "I Don't Want To Know" 一曲を収録。このシリーズ三作の中でのジョージ・ジャクソンの曲中ではこの曲が一番好きです。


More Lost Soul Gems From Sounds Of Memphis MORE LOST SOUL GEMS FROM SOUNDS OF MEMPHIS
2014 CD EU Kent Soul CDKEND 421

2. Hold On Hold Out

 2年程前に出た『Lost Soul Gems From Sounds Of Memphis』の続編で、ここではジョージの曲は1曲で未発表曲。タイトルからジャクソン・ブラウンの曲を連想しますが同名異曲です。淡々と流れる様なミディアム・チューンで、確かに南部の香りたっぷりですが曲自体はまぁ普通だと思いました。


 At Goldwax
 AT GOLDWAX
 as George Jackson And Dan Greer
2015 CD EU Ace / Kent CDKEND 428

1. You Didn't Know It But You Had Me
2. To Me It's Storming
3. Good Times
4. Do The March
5. Coming Back To You Baby
5. Love Attack
7. Don't Wake Me Up
8. Nothing Can Touch My Love I Have For You
9. That's Why I Love You
10. Come On And Make Up My Mind
11. I'm Going To Straighten Up And Do Right
12. It's So Nice
13. A Road To Nowhere
14. I Don't Want To Be Hurt
15. Come Back And Help Me Save Our Romance
16. I Can See Sadness Ahead Of Me
17. Fascination
18. If I Thought I Could Ride My Troubles Away
19. I'm Still In Love With You
20. I Don't Wanna Take A Chance
21. Will You Be Around
22. What Do You Do?
23. To Me It's Storming (First Version)

 `60年代中頃にジョージ・ジャクソンとダン・グリアは同じGoldwax レコードで作曲家、プロデューサーとして働いたそうで、ふたりで組んでレコードも発表していました。その時のシングルが "You Didn't Know It But You Had Me / Good Times" で1曲目と3曲に収められています。
("Good Times"はモチロン!サム・クック・ナンバー)
 その他 2、4、7、16の曲は『The Gold Wax Story』のシリーズ内に収録済み曲。そしてそれら以外は未発表曲という事です、ダン・グリア単独でシンガーとしての曲も種々の編集アルバムで聴くことも出来、シンガーとしての魅力も持った人だと思います。
 カバーに使われている写真は今までの編集盤アルバム内で数度見かけた物と同じで、この時代の写真はこの一枚だけなのかも知れません(音楽とは無関係ですが)。
 "Love Attack" はジェームス・カーの『You Got My Mind Messed Up』に収録されていた結構知られた曲ですが、カーのアルバム内クレジットはGoldwax設立に携わった Quinton Claunch ひとりでしたが、ここではジョージ。ジャクソンとの共作とクレジットされていました。
 良い曲が多い中、先ず一番に気に成ったのは "That's Why I Love You" でしょうか。


Leavin' Your Homework Undone In The Studio With George Jackson 1968-71 LEAVIN' YOUR HOMEWORK UNDONE
IN THE STUDIO WITH GEORGE JACKSON 1968-71

2018 CD EU Kent Soul CDKENT 477

1. I Got A Feeling
2. I'm Gonna Hold On (To What I've Got) (Demo)
3. What Kind Of Woman Are You
4. I'm Glad To Have What He Didn't Want
5. I Slowly Killed Your Love For Me
6. A Woman Respects A Man
7. A Few Precious Moments
8. Don't Tell Me Nothing About My Baby
9. A Man And A Half
10. If This Is Love
11. I Wish I Was A Child Again
12. Leavin' Your Homework Undone
13. Quicksand Around My Mind
14. Two Way Proposition
15. I Got To Stop You Road Runner
16. Humpin' To Please
17. Your Love Is So Good
18. Never In Public
19. You Caught Me Red Handed
20. Oh Baby What You're Doing To Me
21. Keep Your Business To Yourself
22. Your Love Made A U-Turn
23. Weekend Love
24. Wait Till The Time Is Right

 2009年にUK Kent からのアルバムが出た後に、同レーベルからその後四種のアルバムが出て、六種めのこのアルバムがその集大成に成るとの事です。
 作者がジョージだと判っている曲は歌っているのもジョージだと確信できますが、ジョージの死後に作者不明の曲 (8,14,17,21,24) でボーカリスト名が記載されていないテープから彼の歌唱を特定するのにはかなり大変な作業だったと思われます。前作から五年の年月を費やしたのも頷けます。(彼の写真は相変わらずらず同じ色のカーディガン着用写真です)
 "I'm Gonna Hold On" は`70年発売のシングル既発売音源ではなく同曲のデモ音源です。キャンディ・ステイトンが歌った "Never In Public"やウィルソン・ピケットが歌った "A Man And A Half"は聴きものですが、やはり出尽くした感じがしないでもなく2000年代初頭に出たアルバムの感動からすると物足りなさの残る曲が有るのが実際でしょう。


That's How Much You Mean To Me (EP) Single:That's How Much You Mean To Me
1970 7"EP US Fame  P-1468

A That's How Much You Mean To Me
B I'm Gonna Hold On (To What I Got)
 A面曲の素晴らしい事!1970年発売のシングルですが、当時の南部サウンドにどっぷり浸れます。このサウンドこそがサザーン・ソウルの世界に引きずり込んでくれたサウンドでした。
  `80年代前半は海外からシングル盤 (マイナー盤は殆どピクチャー・スリーヴ無しです) を結構買っていましたが、CDの時代に移行してから徐々に買わなくなっていました。ただジョージのこの曲、どこかで読んだ記事で彼が出したシングルでR&Bチャートインした曲が2曲あり、そのうちの一曲がこの曲だと知りました。(もう一曲は"Aretha, Sing One For Me"とのこと)ポップス系チャートのデータ・ブックは「TOP POP Records 1955-1972」、「POP ANNUAL 1955-1977」、「`99 MUSIC DATA BOOK」等持っていますが、R&B系のは持っていなくて何位にランクしたのかも分かりません)
 この曲の収録CDは有るのかも知れませんが、見つけられなく結局21世紀に入り最初に海外から購入したシングルEPとなりました。B面曲もデモ音源はKentからのCDに収録されていましたが、シングル音源は見つけられませんでした。


 Gotham Flasher
GOTHAM FLASHER
  as Gotham Flasher
2018 CD Canada Unidisc AGEK-2683
 (Original LP 1979 Keylock Records K-2501)

1. I'm Never Gonna Leave You (New York)
2. I Can't Turn You Loose
3. Love The Love
4. Try A Little Tenderness
Bonus Tracks
5. I'm Never Gonna Leave You (New York) (Radio Version)
6. Try A Little Tenderness (Radio Version)

 `79年にカナダのディスコ・チームが発売したディスコテイック用の2枚組LPが原盤ですが、1曲目、3曲目(ボーナスのショートヴァージョン5曲目も)のジョージ・ジャクソンが作者名とヴォーカリスト名のひとりにクレジットされています。どの曲がとの指定は無いですが、一部はマッスル・ショールズのスタジオで録音され同スタジオのミュージシャンがバックを努めています。残りの曲はカナダ、ケベック州にある二ヶ所のスタジオ名が記されています。曲自体は当時流行りのディスコ用チューンです。ソウル・ミュージックのスタンダードとも言える "Try A Little Tenderness" も完璧に変身しています。また当時の流行りは45回転EP盤で片面一曲ずつが普通でしたが、このオリジナルは33.33回転LPで片面8分〜9分程の曲を2枚組で発売された様です




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Text by Mie