GEORGE JACKSON21世紀に入りシンガーとしての魅力を再認識され始めると一気に「Southern Soul SInger」の最重要シンガーのひとりとして注目を浴びた人、一度聴いて直ぐにその魅力に填ったシンガーです |
【George Jackson】 (March 12, 1945 〜 April 14, 2013)
ジョージ・ジャクソン、サザーン・ソウル・ファンならば彼の作った曲のいくつかは必ず聴いたことが有るほどソング・ライターとしては有名な人。アラバマ州のマッスル・ショールズと地名を聞くだけでソウル・ファンにはそのサウンドが判るほどに個性豊かな土地に在るスタジオ、 Fame Label (Florence Alabama Music の略) 創設者 Rick Hall が作ったフェイム・スタジオ。このスタジオで録音するシンガーたちに多くの曲を提供してきたジョージ・ジャクソン。 フェイム以外にもサザーン・ソウル・ファンお馴染みのHiやGoldwaxなどメンフィスのレーベル契約者達にも曲を提供しています。 ソング・ライターとしての方で有名ながらも`63年〜`85の間に自ら歌唱のシングル・EPを20数枚発表していました。(日本でも出ており、わたしが確認している日本盤シングルは`69年"Find 'Em, Fool 'Em And Forget 'Em=黒いアドバイス"(Fame原盤Capitol東芝音工)と`72年"Aretha, Sing One For Me= アレサ・シング・ワン・フォー・ミー"(Hi原盤Londonキングレコード)ですが当然出ていた事すら知らなかったです。アメリカではR&Bチャート下位の方に後者が登場した様です) ただ、それらのアナログ盤時代にはシンガーとしてフィーチャーされることはなく、ソングライターとしての知名度だった為、当然アルバム発売も無く「歌手・ジョージ・ジャクソン」としての認知度はごく一部のファンのみだった時代でした。 CD時代に突入してしばらくしての1993年に自身名義のアルバム『Heart To Heart Collect』がひっそりとイギリスで発売されていましたが、認知度は低いまままでした。。 その後21世紀に入りイギリスから、シンガーとしてのジョージ・ジャクソンを再認識する動きが漸く広がり始め、『George Jackson in Muscle Shoals』というアルバムが発売され、そのタイトルに「Muscle Shoals」という語が入っていた事が功を奏したのか?(少なくともわたしがそうで、アルバムを買い、即好きに成ったのです)多くのサザン・ソウル・ファン注目のシンガーと成っています。 そして徐々にジャージ・ジャクソンのCDアルバムが出てくるように成りました。出れば即購入していて年月も経ち、目にしたのが意外な訃報....2013年4月13日にがん闘病の末亡くなっていたとの事です。 |
作曲家として、Gold Wax、Fame、などに続き1983年からMalacoに籍を置いて活動をしていた為、収められた楽曲の著作はすべてマラコ・ミュージックと成っていました。 バック・ミュージシャンもマラコ系の布陣なので`70年代からのサザーン・ソウルどっぷりサウンドとは若干違うサウンドに成っています。"Put On Me What You Put On Him" などはシカゴ・ソウル的でオーティス・クレイを思わせます。 その中で最も`70年代の頃に近い曲は7曲目の "Lonely Women" に成るのでしょうか?・・・という訳でこの曲が全曲中わたし一番の好み曲です "Struggling Lady"、"If It's Love You're Trying To Fight" の2曲はカップリングで Malaco系Hep' Me レーベルから1992年にジョージ名義でシングル化された物でリトル・ミルトンがカヴァーしていた曲。 このアルバムは二年程の遅れですが発掘系アルバムでなく、通常の発売形態のものです。この時点では幅広いソウル・ミュージック・ファンの話題には上らなかったと記憶しています。彼の魅力が知れ渡ったのはやはり2000年代に入ってから`60年〜`70年に残した多くの曲と歌唱が発掘されたことが主たる要因でしょう。 |
収められた楽曲の著作はここもマラコ・ミュージックですが、バックのリズム隊はマッスル・ショールズ・スタジオの面々で、満足のサウンドです。 多くの曲は南部のソウル・サウンドですが "Down Home Blues" は完全ブルース曲で、Z. Z. Hillが吹込み1982年にMalacoレーベルから同名タイトルに収録して発売しブルースの名盤として好セールスを記録しています。また "Make You Mine" は聴き用によってはディスコ・ナンバー風にも聞こえる曲です。 |
バックは当然 Muscle Shoals Rhythm Section なので期待通りの作品群です。 前作に比べて若干ポップ寄りの曲が少し多めです。特にタイトル曲などもそうですが、自身で歌うよりも他の歌手用に作った曲のデモ音源なのでしょうか。 "I Know She Misses Me"、"Feed The Hunger For The Night"あたりはバラード・タイプで、前者はマラコ・サウンドその物、後者はカントリーっぽさを感じます。 いくつかの曲は他シンガーが録音発表しているのでしょうが、そこの所は詳しく知りません。 "A Little Taste of Outside Love" は Millie Jackson が 『Feelin' Bitchy』 内で取り上げています。ミリー・ジャクソンはすべてのアルバムを持っている程、シンガーとしては大好きなのですが、(どこかに書いた記憶ありますが) 下品度を増した80年代後期以降は「Ladyらしく」振舞って欲しいと思う様に成っています。また "Love Vibrations"、"Another Woman Involved" は女性シンガーMarjorie Ingram が出していました。 マラコ・スタジオで録音されたラスト曲は、じっくりと聴かせるソフト・ソウルで聴き物です。 尚、この時期迄に出されていたシングル25枚とアルバム3枚のタイトル・レコード番号を記したディスコグラフィーが載っています。 |
"Talking About The Love I Have For You" は ER-Music (ERM-101) として出たシングル、"Walking The City Streets" は未発表曲。個人的には後者の方が好きです。 こうしたオムニバス形式のコレクションアルバムの収録曲は他の同形式アルバムも含めて別のページで書いています。 |
この三枚組のアルバムも75曲の音源が収められており小ヒットした曲も有りますが、そうでない曲も有ります。ジョージ・ジャクソンのは1974年にMGMレーベルから出ていたシングルA面曲が収めれていました。 また72ページに及ぶブックレット形式の説明文が有りますが、頑丈に作られ過ぎて、ガバッと広げ様ならば「閉じ」部分の糊が剥がれそうで読む事出来ません。ペラペラの紙形式の方が良かったですね。 |
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Hi、MGM、Chess、ER Music などから発売されていたシングル曲と未発表曲が収録されています。 シングル盤の写真が数点載っていますが、Hi 音源ながら英国での販売元 London レーベルの盤が載っているのが懐かしくて嬉しいです。トップがシングル盤として日本でも発売されていた ";Aretha,Sing One For Me (アレサ・シング・ワン・フォー・ミー)" で始まります。サザーン・ソウルどっぷりの凄い曲で、やっぱり Hi レーベルだ!当時聴いていたら・・・と「タラレバ話」に成って終います。`72〜`73年当時のわたしは既にそこそこのオールジャンルを聴いては居ましたが、黒人音楽に関してはデトロイト、シカゴなどでのR&B系とシカゴやテキサスのブルースなどに留まっていた時代でした。サザーン・ソウルにハマったのは`75〜`76年頃からでした。 2曲目 "Things Are Getting Better" も素晴らしい曲、ブルース系の Chess から出ていたシングルですが、出版は Fame と成っています。明らかに Fame のサウンドです。 また、淡々と歌うことが多い彼ですが "Let's Live For Ourselves" は結構張り切って歌っておりこの曲もお気に入りです。 |
アルバム内でシングル盤が出ていたのは1979年発売の "Fast Young Lady / Funky Disco Music" カップリング2曲で他は提供用に録音していたデモ音源と成っています。 カバージャケットの彼の写真が明らかに若い頃の物でちょっと嬉しいですね。 すべての曲の録音者を勿論知りませんが、知っているのでは先ず、トップの "Sweet Surrender" はオリー・ナイチンゲイルが歌った曲とは同名異曲でした(あちらはディヴィッド・ゲイツ作)。そしてボブ・シーガーが吹き込んでシングルがBB誌ポップ・チャートに30位以内に食い込んだ "Old Time Rock And Roll"。またタイトル曲 "All Because Of Your Love"はタイロン・ディヴィスやオーティス・クレイが吹き込んでいた曲です。 これらの曲以外では2曲目の "My Heart Won't Let Me Forget" が好みです。 発売自体遅ればせながらも最初に録音したのはジョージ・ジャクソンですので、じっくと彼の曲として聴き続けると彼の多彩な才能の素晴らしさに驚かされます。 |
一曲目の方はまぁ普通ですが、"I Can See Sadness Ahead For Me"の方は珍しくブルース調で個人的には凄く気に入った曲でした。作者がジョージ名義でクレジットされているので間違いないでしょうがホント意外な曲でした。(収録曲の中には作者不詳、歌手名不詳といった曲が数曲収録されているほどに無数の音源から掘り起こされた曲集の様です)) |
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その "Search Your Heart" はウィルソン・ピケットに提供した曲で彼のこの音源は同年(2011年)にジミー・ヒューズなどの曲と一緒に4曲入りEPとしてタイトルを "The Stars Of Fame" と付けてKentから出ていた用です。もう、誰に提供したとかどうとかよりもジョージ・ジャクソンの曲を彼が歌っている・・・、凄いの連続、満足の一枚です。 ※わたしは出て直ぐに洋盤を買っていますが、日本盤のうち翌年ディスク・ユニオン経由で購入した人のみ先着順でおまけのシングル "Back In Your Arms / Love Without A Future" が付いていた様です。 |
"Search Your Heart" は 『Don't Count Me Out. The Fame Recordings Volume 1』 に収録された曲。"Find 'Em, Fool 'Em And Forget 'Em" は邦題「黒いアドバイス」として日本で最初に発売された経緯のあったシングルで聴きたかった曲です、`69年の日本では確かに話題に成らなかったのは解ります。"Double Lovin'" は未発表音源との事。 |
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"I Lived Through A Losing Battle" は誰に提供したのかは知らないのですが、凄く良い曲なのでキャンディ・ステイトンなどに歌って欲しかった曲です。 |
既に英Kentから出ていたジョージのアルバム『IN MEMPHIS 1972-77』に収録されていた曲です。 |
前二作と比べると流石に若干、満足度は落ちますがそれでも味わいのある彼らしい曲で超貴重音源です。 このシリーズ三作共に使われているジョージの写真で着ているカーディガンがすべて同じです。 三作目のカバーではジャケットを着ていますが中にカーディガンが見えます、そしてどのアルバムも中に使われている写真は同じカーディガン姿です。彼はFameスタジオを訪れるときはこの姿だったのでしょうか・・・ |
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("Good Times"はモチロン!サム・クック・ナンバー) その他 2、4、7、16の曲は『The Gold Wax Story』のシリーズ内に収録済み曲。そしてそれら以外は未発表曲という事です、ダン・グリア単独でシンガーとしての曲も種々の編集アルバムで聴くことも出来、シンガーとしての魅力も持った人だと思います。 カバーに使われている写真は今までの編集盤アルバム内で数度見かけた物と同じで、この時代の写真はこの一枚だけなのかも知れません(音楽とは無関係ですが)。 "Love Attack" はジェームス・カーの『You Got My Mind Messed Up』に収録されていた結構知られた曲ですが、カーのアルバム内クレジットはGoldwax設立に携わった Quinton Claunch ひとりでしたが、ここではジョージ。ジャクソンとの共作とクレジットされていました。 良い曲が多い中、先ず一番に気に成ったのは "That's Why I Love You" でしょうか。 |
作者がジョージだと判っている曲は歌っているのもジョージだと確信できますが、ジョージの死後に作者不明の曲 (8,14,17,21,24) でボーカリスト名が記載されていないテープから彼の歌唱を特定するのにはかなり大変な作業だったと思われます。前作から五年の年月を費やしたのも頷けます。(彼の写真は相変わらずらず同じ色のカーディガン着用写真です) "I'm Gonna Hold On" は`70年発売のシングル既発売音源ではなく同曲のデモ音源です。キャンディ・ステイトンが歌った "Never In Public"やウィルソン・ピケットが歌った "A Man And A Half"は聴きものですが、やはり出尽くした感じがしないでもなく2000年代初頭に出たアルバムの感動からすると物足りなさの残る曲が有るのが実際でしょう。 |
`80年代前半は海外からシングル盤 (マイナー盤は殆どピクチャー・スリーヴ無しです) を結構買っていましたが、CDの時代に移行してから徐々に買わなくなっていました。ただジョージのこの曲、どこかで読んだ記事で彼が出したシングルでR&Bチャートインした曲が2曲あり、そのうちの一曲がこの曲だと知りました。(もう一曲は"Aretha, Sing One For Me"とのこと)ポップス系チャートのデータ・ブックは「TOP POP Records 1955-1972」、「POP ANNUAL 1955-1977」、「`99 MUSIC DATA BOOK」等持っていますが、R&B系のは持っていなくて何位にランクしたのかも分かりません) この曲の収録CDは有るのかも知れませんが、見つけられなく結局21世紀に入り最初に海外から購入したシングルEPとなりました。B面曲もデモ音源はKentからのCDに収録されていましたが、シングル音源は見つけられませんでした。 |
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