KENNY DREW

 

  ケニー・ドリュー(Kenny Drew 生誕名:Kenneth Sidney Drew 1928年8月28日生まれ、1993年8月4日死去)はアメリカ・ニューヨークで生まれてデンマークのコペンハーゲンで亡くなったジャズ・ピアニスト。
 ハード・バップがまだまだ主流だった時代にアメリカで活躍し、私的にはジャッキー・マックリーンやジョン・コルトレーンと Blue Note 時代に共演していて馴染みのあるピアニストでした。LP盤しかなかった時代にSwing Journal誌のゴールドディスクに認定されていた『KENNY DREW TRIO (Riverside録音)』を購入、印象に残ったアルバムの一枚でした。
 ところが、何故かその後暫くケニー・ドリューの名はジャズ・シーンから遠ざかっていたような印象がありました。そして、マックリーンとの再会録音時 (ほぼ10年後) に知ったのが、(種々の記事によると) 黒人ミュージシャンという人種差別の問題からか`61年にフランスへ渡りその後`64年にはデンマーク、コペンハーゲンのジャズ・クラブ「カフェ・モンマルトル」を拠点に音楽活動を再開、その地に移住していたという事です。

(音楽とは関係のない余談ですが、`60年代という時代はわたしたち日本人の有色人種も欧米白人達からは下位人種といった意味合いの差別を受けていた時代だったと思われますし、`70年代初期に読んだ雑誌記事でフランスに住む黒人が「我々は差別されてはいないが区別されている・・・人間と黒人といった感じだ。差別される方がましだよ」といった意味合いのことばが載せられていたのを(雑誌名は記憶ありませんが)鮮明に覚えています。
 音楽を愛する人たちは、ジャズやブルースやソウル・ミュージックなど、多くの熱い音楽のルーツには黒人たちが原点にいる事は確かだと知っています、感謝です。)

 ただ、ケニーがデンマークでマックリーンと共演していると知った時期でもやはりサックスなどホーン楽器が主のジャズにまだまだ気がありましたので、ケニー・ドリューのリーダー・アルバムを聴いてみようとは思いませんでした。が、`88年『IMPRESSIONS パリ北駅着、印象』の日本でのヒットを機会にジャズ・ピアノの良さを再認識。徐々にさかのぼって聴くようになったのです。
 時代は昭和から平成に移っていく時代なのに私のジャズ・シーンは再度戻り始めていました。



 下記は購入順や録音順でなく、オリジナル盤の発売順です。
ケニーは10年間ほど録音歴が無い期間がありながら、膨大なレコーディングに参加、サイドメンとしての参加数も多く、自身がリーダーとして録音したアルバムも40数枚は残した人です。日本での人気も高く偉大なジャズ・マンのひとりでしょう。


 『INTRODUCING THE KENNY DREW TRIO』、`53年オリジナルの10インチ盤発売時は『NEW FACE - NEW SOUNDS』 のシリーズ物タイトルで発売、以降12インチ盤LPや10インチ盤LPでの再発数度、CDでも何度も再発される様に成っているケニーの24歳時のデビューアルバム。3曲目とラストがオリジナルで他はスタンダード・ナンバー。8歳の時既にクラシック曲を人前でコンサート演奏するほどの実力者だった様で安心して聴けますが、「これぞケニー」といった特徴はさすがにありません。スタンダード曲では特にそう感じます。メンバーはジャズ・メッセンジャーズ結成前のブレイキー、ラッセルとの共演です。

 『TALKIN' & WALKIN'』、1曲目から9曲目迄がオリジナルLP収録曲で追加の3曲はCD盤追加曲。オリジナル発売は『The Return Of Art Pepper』 の発売元として名を残しているロサンゼルスのJazz:West Records。サックス奏者を中心に聴いていたわたしには白人のウエスト・コースト・ジャズマン、アート・ペッパーも好きな一人でしたのでJazz:West という小さなレーベルも記憶に残っています。
 ケニーは`50年代中頃の2〜3年間ニューヨークからロサンゼルスへ移って活動していたとの事です。で、このアルバムは西海岸のミュージシャン達と組んでの演奏ですが選曲はケニーのオリジナル中心です。全体的にホーン楽器が入って、スィングしたピアノが聴けるので、楽しめるハード・バップ系ジャズ・アルバムとして聴けます。トップから続く "Talkin'-Walkin'",
"In The Prescribed Manner" はオリジナルで軽快で心地よいなナンバー、スタンダードの選曲としては別日の録音 "It's Only A Paper Moon" が好きな曲ですのでこちらも嬉しかったです。
 (このアルバム写真のケニー、よく似た陸上選手が居たような気がしてなりません)

Introducing The Kenny Drew Trio (New Faces, New Sounds) INTRODUCING THE KENNY DREW TRIO
original 1953 as "NEW FACE - NEW SOUNDS"
Blue Note TOCJ-8617 (Japan) 2009

1. Yesterdays
2. Stella By Starlight
3. Gloria
4. Be My Love
5. Lover Come Back To Me
6. Everything Happens To Me
7. It Might As Well Be Spring
8. Drew's Blues

Trio
Bass : Curly Russell
Drums : Art Blakey
Piano : Kenny Drew

Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey on April 16, 1953.
Talkin' & Walkin' TALKIN' & WALKIN'
original 1956
Pacific Jazz CJ28-5159 (Japan) 1989

1. Talkin'-Walkin'
2. In The Prescribed Manner
3. Prelude To A Kiss
4. Wee Dot
5. Hidden Channel
6. Deadline
7. I'm Old Fashioned
8. Minor Blues (Blues In A Cardboard Box)
9. Walkin'-Talkin'
 additional tracks
10. It's Only A Paper Moon
11. Leroy's Blues
12. Contour

Quartet
bass : Leroy Vinnegar
drums : Lawrence Marable
piano : Kenny Drew
alto & tenor Saxophone : Joe Maini
trumpet : Jack Sheldon (tracks: 10 to 12)

tracks :1-9
Recorded on December 1955
at Capitol Studios, Los Angeles, CA.

tracks :10-12
Recorded on November 18, 1955
at Forum Theatre, Los Angeles, CA.

 『KENNY DREW TRIO』、わたしが最初に買ったケニーのアルバムがコレでした。リーダーアルバムとしては四作目に成っています。オリジナルは Blue Note 、 Prestige と並ぶジャズの名門レーベルのひとつ Riverside (`60年代半ばに倒産) からの発売、日本のビクター音楽産業株式会社は Milestone というレーベルで発売されていました。共演がポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズとマイルス・デイヴィス門下生の様なふたりで当時の最高のリズム陣です。ハード・バップ時代のピアノ・トリオ・アルバムの代表盤の一枚に成っていますがそれも当然のメンバーで、演奏です。

 『PAL JOEY』、ビクターが[ビクター音産] から [ビクターエンタテインメント] に変わっていた時期に Riverside レーベルを復活させて Riverside 音源のCD化をしていました。`30年代`40年代のブロードウェイ・ミュージカルの一作ですが日本で有名に成るのは概ね映画化されてからの事が多く、更に一般に広がるのはその映画が日本の高度成長期中間時代以降にヒットしてからが多かったと思います。リチャード・ロジャース担当ではでは「南太平洋」、「サウンド・オブ・ミュージック」は大ヒットしていましたが、この「Pal Joey 邦画邦題:夜の豹」の日本公開は`58年の模様、まだまだ高度成長期にも入っていなかった時代で映画娯楽が一般に浸透していなかったのでしょう。ブロードウェイ作品、ミュージカル映画作品としては知れ渡っていませんが映画化時の加えられた " I Didn't Know What Time It Was"、"My Funny Valentine"、"The Lady Is A Tramp" の三曲は多くのジャズ・シンガーに歌われてスタンダード化しています。この三曲以外は知らない曲ばかりでした。ベースのウィルバー・ウェアも馴染のないプレイヤー、ピアニストではケニー・ドリュー以外にセロニアス・モンクとの共演が多い様ですが、全くタイプの違うピアニストの共演が多いのは意外です。
 アルバム全体の印象は熱い「ハード・バップ」時代に似合わず、かなりエレガントな小粋で軽いタッチに仕上がっている印象です。2曲目、4曲目、6曲目と原曲は聴いてはいませんが、主流派ジャズの一面を感じられます。

Kenny Drew Trio (Riverside) KENNY DREW TRIO
original 1956
Milestone SMJ-6037M (Japan) 1974

A
1. Caravan
2. Come Rain Or Come Shine
3. Ruby My Dear
4. Weird-O
B
1. Taking A Chance On Love
2. When You Wish Upon A Star
3. Blues For Nica
4. It's Only A Paper Moon

Trio
bass : Paul Chambers
drums : Philly Joe Jones
piano : Kenny Drew

Recorded at Reeves Sound Studios in New York on September 20 and 26th, 1956.
Pal Joey PAL JOEY
original 1956
Riverside VICJ-2141 (Japan) 1996

1. Bewitched, Bothered And Bewildered
2. Do It The Hard Way
3. I Didn't Know What Time It Was
4. Happy Hunting Horn
5. I Could Write A Book
6. What Is A Man?
7. My Funny Valentine
8. The Lady Is A Tramp

Trio
bass : Wilbur Ware
drums : Philly Joe Jones*
piano : Kenny Drew

Recorded at Reeves Sound Studio sn New York; October 15, 1957.

   『UNDERCURRENT』、フレディー・ハバード、ハンク・モブレーといったホーン奏者を加えたクァルテットで Blue Note からの発売。ハード・バップ時代の名盤の中の一枚に入って間違いないさルバムです。全曲ケニーの曲ですが、曲ヨシ、演奏ヨシです。
ルイス・ヘイズ(ds)、サム・ジョーンズ(b)の二人のリーダー作は持っていませんが、参加作品は数種持っています。特にルイス・ヘイズの方は馴染ある名前で、ここでの演奏もピッタリハマっています。曲としては "Undercurrent"、"Funk-Cosity"、"Groovin' The Blues"辺りが好きです。この素晴らしいアルバムを残しているのに、この後ヨーロッパへ渡り新録が発売されるまでかなりの年月を要しています。

 『DUO』、デンマークの SteepleChase がジャッキー・マックリーンの『Live at Montmartre』に次いで発表したレーベル第二作がオリジナル盤で、ケニーがヨーロッパへ移ってから初のリーダー作 (双頭扱い) に成りますが、 SteepleChase ではこの前にサックス奏者のサヒブ・シハブ(Sahib Shihab) のアルバムにサイドメンとして、ベースのニールス-ヘニング・エルステッド・ペデルセンと共に参加していたようです。
 『パリ北駅着、印象』、『欧州紀行』の次に手にしたCDです、CD化の際に "I Skovens Dybe Stille Ro" の別テイクが加えられて更に (LPのA面部の) 曲順迄が変えられています(A面はCD曲順 6、2、3、4、5、1の順)。
 ニールス・ペデルセンはコントラバス (ダブルベース) でエレキベースの様な響きを出す人で、この後はケニーの多くのアルバムに参加しています。曲として気に入ったのは "Det Var En Lørdag Aften","Hush-A-Bye","I Skovens Dybe Stille Ro" の順ですがこの3曲は Traditional という事でニールス・ペデルセンが選んだデンマークの古い曲でしょうか?これらの曲でのケニーのピアノタッチはアメリカ時代に近いですが、ケニーのオリジナルに成る "Come Summer" を聴くと昭和の終わりころに日本でブームを起こす頃の詩的な情緒を感じられます。

Undercurrent UNDERCURRENT
original 1961
BLue Note TOCJ-3476 (Japan) 2005

1. Undercurrent
2. Funk-Cosity
3. Lion's Den
4. The Pot's On
5. Groovin' The Blues
6. Ballade

Quartet
bass : Sam Jones
drums : Louis Hayes
piano : Kenny Drew
tenor saxophone : Hank Mobley
trumpet : Freddie Hubbard

Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on December 11, 1960.
Duo DUO
original 1973
SteepleChase SCCD 31002 (Denmark) 1988

1. I Skovens Dybe Stille Ro
   (Take 2)
2. Come Summer
3. Lullaby
4. Kristine
5. Serenity
6. Det Var En Lørdag Aften
7. Do You Know What It Means To Miss New Orleans
8. Wave
9. Duo Trip
10. Hush-A-Bye
11. I Skovens Dybe Stille Ro
   (Take 1:Previously Unissued)

Duo
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
piano : Kenny Drew

Recorded April 2, 1973, at Wifoss Studios, Copenhagen

 『DARK BEAUTY』、『DUO』録音から二カ月半程での録音でドラムスにアルバート・ヒースを加えたトリオ演奏です。LP盤から3曲追加されています。"Run Away"、"Love Letters" 辺りはオーソドックスなスィンギータッチでジャズ喫茶で好まれそうな曲、タイトル曲 "Dark Beauty" のリリカルなタッチが後にケニーの特徴・独自性を感じる曲に成っています。彼のオリジナル。(このタイトルに成ったアルバム写真の女性はケニーの娘さんだと云う記事を見たことありますが定かではありません)もう一曲のオリジナルが "Blues Inn" でこちらは正反対で`50年代デビュー時の雰囲気を味合わせて貰えるピュア・ジャズです。"A Stranger In Paradise" はミュージカル映画「キスメット」の挿入歌でメロディーはわたしの好きなボロディン作曲の「ダッタン人の踊り」から流用された曲。`50年代のジャズ・シーンはミュージカル楽曲からの選曲が多かったと思います。"All Blues" はわたしに縁の深いマイルス『Kind Of Blue』収録曲でした。全体的には[アメリカ回帰]を感じる作品です。

 『MOENING』、1975年録音翌`76年発売のトリオ盤です。ただ編成がドラムスなしのギター参加という珍しい編成です。ロック・ジャンルではギターは最重要楽器だと思いますが、ジャズ界でギターはリード楽器ながらホーン楽器ほど表に出ない楽器の様な感じもします。ただスイングするギターの音が気持ち良いのは確かです。個人的に好きなのはグラント・グリーンでアルバムも数枚持っています。ここでのフィリップ・カテリーンは他の演奏盤は持っていません。この頃はまだデビューまもない頃の様でした。
 スタンダード曲は "Autumn Leaves"、"Isn't It Romantic" の二曲でこの二曲を連続して聴くとかなり似通ったアレンジで演奏されていて、同曲にまで思えてしまいます(LPでは表と裏に分かれていたので先ずその様な聴き方をする人居なかったでしょう)。他の曲はケニーのオリジナルでLP盤より二曲追加されたCDです、曲としては "Evening In The Park" が好きです。メロディーが後年のヨーロッパ的な部分を持ち、三種の楽器の掛け合いも良い感じです。

Dark Beauty DARK BEAUTY
original 1974
SteepleChase/Videoarts VACE-1001 (Japan) 1991

1. Run Away
2. Dark Beauty
3. Summer Nights
4. All Blues
5. A Felicidade *
6. It Could Happen To You
7. Love Letters
8. Silk Bossa
9. Blues Inn
10. In Your Own Sweet Way *
11. A Stranger In Paradise *

* = bonus tracks

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Albert Heath
piano : Kenny Drew

Recorded May 21 & 22, 1974. at "Rosenberg Studie"in  Copenhagen
Morning MORNING
original 1976
SteepleChase SCCD-31048 (Denmark)
1987

1. Evening In The Park
2. Autumn Leaves
3. Bossa Mood
4. Poor Brother's Blues
5. Morning
6. Isn't It Romantic

(Track 3 & 4
:Previously Unissued)

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
guitar : Philip Catherine
piano : Kenny Drew

Recorded at Rosenberg Studio, Copenhagen, Denmark, on September 8, 1975

 『WORK SONG TRIO & SOLO 1978』、このCDの発売元は[Jazz Ball Records] という詳細が未知のレーベルから出されています。一応所在地は欧州連合27か国(2009年時点)の何処かに在ると思われます。同レーベルからの他のアルバムデザインを数点見ましたが、どれも日本人が作りそうなムード音楽風なデザインでした。
 で、このCDの内容は1曲目から8曲目迄は Xanadu Records から1979年に発売されたLP 『HOME IS WHERE THE SOUL IS』。残り9曲目以降は1978年に [PolJazz Records] から発売されたLP 『KENNY DREW』 (PolJazz Z-SX-0695)となっています。("Yesterdays" の収録位置が違うのですが、"Yesterdays" が連続するのを避けるための配慮で同アルバムに間違いないと思います)
 ただ、このCD記載の後半部(9-13)の録音データは`78年6月9日ポーランドのワルシャワとありますが、別の紹介サイトでは`78年12月9日ポーランドのカリシュとあり、日付と録音地が違いました。
 納得できないのでポーランドのジャズ紹介サイトで調べていましたら、このオリジナルLP (PolJazz Z-SX-0695)部分に [Aufnahmeort: Kalisz] という記載を見かけました。
 わたしの推測ですが、この[Jazz Ball Records] からのCDのデータ記載部分が不親切で、 [9-12] のソロ録音部が`78年6月9日ポーランドのワルシャワ録音で一旦拍手が入り終わっている感じです、そして13曲目のトリオ演奏部が別日の`78年12月9日ポーランドのカリシュ録音であろうと演奏曲名からも思います。

 内容の方ですが、"Blues For Nils"、"Sunset" は2曲ともオリジナルでピアノ音の響きが凄く奇麗でソロピアノの良さを再確認できます。"Work Song" はこのアルバムのタイトルにされているように超有名曲。昔のジャズ喫茶でも頻繁にかけられていたハード・バップの(同タイトル)名盤内の曲で、ナット・アダレイの出世曲。ピアノソロでこれだけスイングしてファンキーな雰囲気を出せるもやはり若き日にニューヨーク52番街で基礎が出来ていたからでしょう。
 "Yesterdays" はケニー自身最初のリーダー作 (24歳時) を始め何度も録音している曲でジェローム・カーン作のスタンダード曲。発売盤の多くがピアニストと歌手のヴァージョンが他楽器物よりも多くを占めています、私的所持では歌手物の方が多いですがジャズ・シンガーでないキリ・テ・カナワヴァージョンもあります。ケニーのここでのヴァージョンは後半部分に進むほどに情感が伝わってきて聴き入れます、既に50歳時の録音です。[昔を懐かしく振り返る曲] ですのでさすがにある程度年齢を重ねないと・・・と思って仕舞います。"Kalisz Blues" はケニーのオリジナルでこのライヴの為に書かれた曲の様、ベース・マンとドラマーはどちらもポーランドのジャズ・ミュージシャン、`48年生れ`46年生れでケニーより20歳ほど若いメンバーです。
 * 8曲目の "Yesterdays" は『HOME IS WHERE THE SOUL IS』と同じセッションで録音されていた曲目ながら、LP時代の収録可能時間制限、ソロ演奏形態などの影響でカットされていましたが、`90年年代CD化の際にボーナス曲として収録されて発売されました。その収録されたアメリカのヴァージョンとポーランド録音の『KENNY DREW』 内の演奏に比べたら、若干明るさを感じる演奏です、ポーランド・ヴァージョンの方が深みを感じました。

 『HOME IS WHERE THE SOUL IS』、デンマーク中心に録音していた`70年代に、一時期アメリカに帰国していた時期も有った様です。これはその時に録音されたアルバム。メンバーはリロイ・ヴィネガーとフランク・バトラー、どちらも米西海岸中心で活動しているミュージシャンですので、ヴィネガーの方はケニーの『Talkin' & Walkin'』(LA録音)のほか、ジャッキー・マックリーンとケニー・ドーハム双頭アルバムの『Inta Somethin'』(LA録音)などで聴いたことのあるベース・マンですが、バトラーの方はマイルス・デイビスの『Seven Steps to Heaven』(Hollywood録音)位でしか聴いたことがない人です。ただ、バトラーもサイドメンとしての参加アルバムはかなり多いミュージシャンの様です。
 トップは前年ポーランドでピアノソロによって吹き込んでいた "Work Song" のトリオ演奏。ナット・アダレイのオリジナルはハード・バップ時代を代表するように、ベース、ギター、ピアノ、コルネットなどが順にテーマを繰り広げていきますが、ここではリードはピアノオンリー、ベースは控えめ、ドラムスは少々といった感じです。 "West Of Eden" (作者名にAustin Wellsと記されています)は演奏も曲も両方気に入りました。5曲目からの三曲がオリジナル、楽曲としての印象は薄く普通の出来に思えます。

Work Song [Kenny Drew Trio] (Poljazz) WORK SONG TRIO & SOLO 1978
original 1978 as "KENNY DREW"
&  "HOME IS WHERE THE SOUL IS"
Jazz Ball JBR884 (EU) 2009

1. Work Song
2. Prelude To A Kiss
3. West Of Eden
4. It Could Happen To You
5. Only You
6. Three And Four Blues
7. Ending
8. Yesterdays
9. Blues For Nils
10. Sunset
11. Work Song
12. Yesterdays
13. Kalisz Blues

Track 1-7 :
"HOME IS WHERE THE SOUL IS"


Track 8 :
Solo
piano : Kenny Dre

Recorded at Spectrum Studios, Venice, California, October 15, 1978

"KENNY DREW"
Track 9-12 :
Solo
piano : Kenny Drew

Recorded live in
Warsaw, Poland, June 9, 1978

Track 13 :
Trio
bass : Paweł Jarzębski
drums : Janusz Stefański
piano : Kenny Drew

Recorded live in Kalisz, Poland. on December 9th, 1978,

* recording data is not definite.
Home Is Where The Soul Is HOME IS WHERE THE SOUL IS
original 1979
Xanadu YS-7102-DU (Japan) 1982

A
1. Work Song
2. Prelude To A Kiss
3. West Of Eden

B
1. It Could Happen To You
2. Only You
3. Three And Four Blues
4. Ending

Trio
bass : Leroy Vinnegar
drums : Frank Butler
piano : Kenny Drew

Recorded at Spectrum Studios, Venice, California, October 15, 1978

track 8:
Solo
piano : Kenny Drew

Recorded same session

 『MOONLIT DESERT』、ピアノトリオプラスデンマーク国立室内管弦楽団のメンバー数人が室内楽で参加しています。全八曲中一曲のみがオリジナルで他はホーギー・カーマイケルやデューク・エリントンらの曲などを演奏していますが、わたしが特に注目したのが、A面の二曲で "Moonlit Desert 月の砂漠" は佐々木すぐる氏作曲で知られた日本の曲(童謡歌曲として知られる詩は加藤まさを氏で原題は「月の沙漠」と「砂」ではなく「沙」の字)、"Solveig's Song" はノルウェーの作曲家グリーグの劇音楽『ペール・ギュント』の中での有名曲、わたしの大好きな曲で「詩のページ」の中のBGM、「クラシック音楽のページ」の中、そしてヘヴィーメタル・バンド、「キャメロットのページ」と何度もふれてきた曲です。室内楽団tの応援が効いています。
ただ、"Moonlit Desert" の方はErnie Wilkinsというアメリカ生れ・デンマーク在住のジャズ・アレンジャー、サキソフォニストにアレンジを依頼したとの事。解説にはケニーがカセットテープに入っていた曲を持っていたこの曲を聴いてアレンジしたと書かれています。そのアレンジですが「原曲 "月の沙漠" のイメージからは離れすぎた」と感じてしまいました。
 夜の雰囲気から始まりますが途中、ベースの音は結構スィンギーに弾けて楽しげです。元詩や原曲から受けるイメージ [寂しげにまるでカケオチしざるを得なかった様に沙漠をラクダに乗って進む王子と王女様] の悲しげな姿が浮かびません。ケニーの持っていたカセットテープ内は誰の演奏(歌)だったのでしょう?
 もう一曲 "Roselil" もアーニーのアレンジ、元曲は知らない曲で解説にはデンマーク民謡と書かれています。
"Solveig's Song" はケニー自身のアレンジで、さすがにピアノを始めた当初はクラシックからだったらしく原曲のイメージを崩さず聴き入ることの演奏です。
 "Stardust" は多くのジャズ・シンガーに歌われている曲で聴きなれたテンポよりスローな感じを受けました。
"Blues Wail" が唯一ケニーのオリジナル。バップ期のピアノ・スタイルで演奏される小粋な感じの曲です。
エリントンの二曲はどちらもロマンチックなバラード・タイプが選ばれていますがラストの "Star Crossed Lovers" の演奏の方が断然良いです。タイトルからして甘美な夜の雰囲気を持っています。「月」から始まり「星」で終わるアルバムでした。

 『By REQUEST』、わたしの`80年代半ばは殆どジャズを聴かなかった時期にあたります。「スイング・ジャーナル」からも離れていた頃にスイング・ジャーナル誌が[ケニー・ドリューに弾いて欲しい楽曲リクエスト]なるものを実施して実現したアルバムです。オリジナルは日本の Bay State レーベルが制作、RVCビクターから発売されていました。ただ、RVCビクターが`87年に消滅、直ぐに廃盤化した模様。入手盤はRVCビクターがBMGビクター、BMGファンハウスを経て2001年に再発された物です。選ばれた曲はほぼジャズ界では昔から日本で有名な曲ばかりで、暗い地下室のジャズ喫茶で熱中して聴くタイプではなく、川村みづえさんのカバー・イラストのように自宅での休憩時にコーヒーでもすすりながらリラックスして聴く感じの曲で、丁度ロック界で例えるとこの10年程前に流行していた AOR タイプの曲調に似ています。
好きなのはクリフォード・ブラウンとヘレン・メリルで有名な "You'd Be So Nice To Come Home To 帰ってきてくれたら嬉しいわ" になります。

Moonlit Desert MOONLIT DESERT
original 1982
Baystate RJL-8039 (Japan)

A
1. Moonlit Desert
2. Solveig's Song
3. Kay-Dee
4. Stardust
B
1. Roselil
2. Prelude To A Kiss
3. Blues Wail
4. Star Crossed Lovers

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Ed Thigpen
piano : Kenny Drew

With
String Section
Woodwind Sectuon
Brass Ensemble
String Quartet
  Membersof the Royal Danish Chamber Orchestra

Recorded September 1, 2, & 5, 1982 at Easy Sound Studio in Copenhagen.

By Request BY REQUEST
original 1985
Baystate BVCJ-37196 (Japan) 2001

1. Softly As In A Morning Sunrise
2. Misty
3. On Green Dolphin Street
4. Smoke Gets In Your Eyes
5. You'd Be So Nice To Come Home To
6. My Funny Valentine
7. Lover Come Back To Me
8. As Time Goes By
9. Fly Me To The Moon ( In Other Words)
10. Round Midnight

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Ed Thigpen
piano : Kenny Drew

Recorded August 24 & 25, 1985 at Easy Sound Studio in Copenhagen.


 『By REQUEST II 』、前作の続編です。同じく有名曲ばかりですが、この日本人が選んだという事が影響しているのか演奏全体では似かよった感じがしてしまいます。Vol.1の録音日からこのVol.2の録音終了迄の日数は1週間で回数が五回、同じメンバーで日本人好みの曲ばかり・・・似通った特徴のない演奏に成るのも仕方なしでしょうか。せめて2〜3カ月でも離れていたら変わっていたかも知れません。

  『IMPRESSIONS 邦題:パリ北駅着、印象』、同タイトルのアルバムで昔に買っていたのはジョン・コルトレーンの Impulse! 盤で昔はそちらのタイトルの方が有名でしたが、このアルバムが昭和末期に発売されてからの日本ではケニーの盤が定番になった様です。特にこのケニー盤のタイトル曲で彼のオリジナル "Impressions" を最初に聴いた時は一気に惹かれました。その後に続く "Evening In The Park"、"Cafe Flore"(どちらもオリジナル) と、ヨーロッパが持っている雰囲気・情緒を感じさせてくれるピアノの音。わたし自身が持っていたジャズにおけるピアノの位置をサックスやトランペットと同位置迄挙げて貰えました。 `70年代は雑誌 [anan] の影響もありフランスの情報がたくさん入ってきていました。シャネル、ディオール、イヴ・サンローランが大人気、わたしもフレンチ・ポップスやフランス映画に結構ハマりました。それが`80年代に入ると [JJ]、[CanCam]、[ViVi]等が人気でニュートラ、アメトラなどとフランス風ファッションがアメリカン風スタイルにとって変わると一気にフランスの情報が途絶えていました。その様な時にフランス、ヨーロッパに目を向けさせてくれたのもこのアルバムでした。(ただ、その後も種々メディアでフレンチ・ポップスやフランス映画の情報が日本で紹介される事が戻る日は未だにありませんが)
 日本人の選んだ楽曲集じゃなくケニーの印象(Impressins)を表現したオリジナル集だからこその良さを感じます。

By Request 2 BY REQUEST II
original 1986
Baystate BVCJ-37197 (Japan) 2001

1. Alone Together
2. Yesterdays
3. Bye Bye Blackbird
4. Night In Tunisia
5. Autumn In New York
6. Georgia On My Mind
7. Waltz For Debby
8. Whisper Not
9. Over The Rainbow
10. I'll remember April

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Ed Thigpen
piano : Kenny Drew

Recorded August 27,30 & 31, 1985 at Easy Sound Studio in Copenhagen.
Impressions IMPRESSIONS
ALfa 32R2-14 (Japan) 1988

1. Impressions
2. Evening In The Park
3. Cafe Flore
4. Autumn Leaves
5. No Greater Love
6. My Ship
7. Rouge Blues
8. Morning Mist
9. Last Tango In Paris
10. The Way We Were

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Alvin Queen
piano : Kenny Drew

Recorded on August 1st〜3rd, 1988 at Easy Sound Studio in Copenhagen.

 『RECOLLCTIONS 邦題:欧州紀行』、前作『IMPRESSIONS』が日本でかなり売れたので、Baystate-RVC 同様 Alfa Records もスタンダード曲中心での曲を依頼したのでしょうか? 6曲目とラスト曲(ケニー作)、10曲目(ニールス・ペデルセン作)以外はスタンダードです。"シェルブールの雨傘"と"スウェーデンの城"はフランス映画から "サマー・ノーズ" はフランスのミシェル・ルグラン作とこの三曲だけは依頼曲だと思えてしまいます。これらのうち"シェルブールの雨傘"と"サマー・ノーズ" は原題の [追憶] らしい演奏で詩的で良い演奏だと思います。ガーシュインの "A Foggy Day"  や "Old Danish" でのジャズ・タッチ・スタイルには、アメリカ的な要素よりもヨーロッパ的な雰囲気を感じて最早デンマーク人に成ったと知らされる演奏でした。タイトル曲 "Recollections" はベースとピアノがゆったりと絡み合う箇所などは確かに [追憶] を感じますが、繰り返し聴きたくなる曲には成り難いと感じます。

 『EXPRESSIONS 邦題:旅の終りに』、『IMPRESSIONS』、『RECOLLECTIONS』と合わせて「欧州三部作」と呼ばれている様です。今回はイタリアをイメージされた選曲でオリジナルは三曲。イタリアと言えば太陽の国、カンツォーネ以外にクラシック界プッチーニやヴェルディなどのオペラ楽曲を思い浮かべますが、クラシック界から、3曲目はアレッサンドロ・マルチェッロの曲 "オーボエ協奏曲 二短長" と8曲目エルネスト・デ・クルティスのナポリ民謡 "Sorrento 原題:Torna a Sorrento" が選ばれています。前者は短調の曲ですが中間部はベースがはじける様で哀愁を帯びながらも力強い部分を持ち、好きな演奏です。後者も転がるようなピアノの音が繊細ながら心地よく好きです。この時代のケニーのピアノはクラシック曲に近い曲が似合いますね。
 映画音楽の "Anastasia 追想" はジャズタッチ、前作でもそうでしたがやはりヨーロッパ風な雰囲気を持っている感じです。 三部作の中での私的評価では『IMPRESSIONS』に次ぐ二番目に気に入っています。

Recollections RECOLLECTIONS
ALfa 29R2-59 (Japan) 1989

1. Golden Earrings
2. Les Parapluies De Cherbourg
3. The Gentle Rain
4. Chateau En Suede
5. In Your Own Sweet Way
6. Copenhagen Blues
7. Summer Knows
8. A Foggy Day
9. Suddently It's Spring
10. Old Danish
11. Recollections

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Alvin Queen
piano : Kenny Drew

Recorded May 14th & May 15th 1989 at Easy Sound Studios in Copenhagen.
Expressions EXPRESSIONS
original 1990
M & I MYCJ-30214 (Japan) 2003

1. Autumn In Rome
2. Cathedral In Milano
3. Oboe Concerto D Minor
4. Anastasia
5. My Funny Valentine
6. Isn't It Romantic?
7. Valse Italiano
8. Sorrento
9. The Big Boot
10. Expressions

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Alvin Queen
piano : Kenny Drew

Recorded at Easy Sound Studio, Copenhagen on May 7,8, and 9, 1990

 『CLEOPATRA'S DREAM』、ケニーのデビュー時はバド・パウエル追従派と言われたピアニストの一人として認識されていたようです。わたしがジャズを聴き始めのキッカケに成ったマイルスとの共演もない人でしたのでLP時代に買ったバド・パウエルのアルバムは『THE SCENE CHANGES』一枚のみでした、そのアルバムトップ曲だった "Cleopatra's Dream" のタイトルとカバーデザインに魅かれて買ったアルバムです。
 "Moonlit Desert" は二度目の演奏、タイトル [Cleopatra's Dream] のエキゾチックなムードに合わせるための再登場なのかも知れませんが曲調は前回とかなり違います。前回演奏のアレンジは他人任せでしたが今回は自身でした様です。録り直したかったのでしょう。今回はジャズっぽいアレンジで演奏しています。オリジナル曲の "Right On"も同様にピュア・ジャズを感じます・
 タイトル曲 "Cleopatra's Dream" は日本向けの仕上がりです、本家のバド・パウエル・ヴァージョンよりもベースの音色が日本人向けです。
 "Alice In Wonderland 不思議の国のアリス" もジャズ界ではピアノ・ソロとして演奏者の多い有名曲ですがここではベースがメロディックにリードを取る個所もあり印象的です。ラストの "Hymn"(ニールス・ペデルセン作)もベースが主導権を持ちながら進み、途中からケニーのピアノが絡む構成ですがここでのピアノが軽やかで可愛らしく妙に清々しい気持ちで終わらせてもらえます。

 『THE FALLING LEAVES』、1990年の録音ながら、なかなか発表されなかったアルバム。録音地が1990年当時はユーゴスラビア社会主義連邦共和国の中の一国だった、クロアチアの首都ザグレブと当時資本主義国ではなかったことが原因なのかも知れません。わたしは運よく初出判のオランダ盤を入手出来ましたが、何故、フランスやデンマークで発売されなかったのでしょうか?オランダから、英米のロック系のレコードやCDの発売盤が日本に入ってくる事結構ありますが、ジャズ系はあまり見かけませんでした。盤には発売年が記されていません、ただ他の記述記事に「同年日本で発売された」という記述を見ました。(ちなみに当時の日本盤はテイチク傘下の Baybridge レーベルを通じて『THE FIRST & THE LAST』のタイトルで発売された様です)  未発表期が長かった事とジョージ・ムラーツ、ルイス・ナッシュというメンバーで組んだのが唯一だった為に『THE FIRST & THE LAST』というタイトルが日本で付けられたとの事です。
 その日本盤ですが、Baybridge レーベルが長続きせずに倒産したために、その後版権移動等の関係から同内容盤が2001年、2006年、2013年と数回にわたりそれもデザイン(タイトルも初版とは別)が変更されて再発されてきた模様です。
 アルバム・タイトルだけでなく曲名もオランダ盤と違った為に同内容の日本盤を購入してしまいました。
 シャンソンが原曲の「枯葉」は、仏題で [Les Feuilles mortes] それが恐らくオランダでは [Falling Leaves] だったのでしょう、英米では [Autumn Leaves] だったのです。
 内容はライブ録音でアナウンスも入っています。1990年早々からクロアチアがユーゴスラビアからの独立志向の高まりやセルビアとの対立を期に [平和を願うコンサート] が開催されたそうで、その時の録音だった様です。いつものメンバーでないのがウソのように聴き応えのある演奏です。`60年代のケニーならば先ず選曲しそうにないMJQのレパートリー、ジョン・ルイスの"Django" を三種楽器のアンサンブル重視のアレンジに仕上げています、良い感じです。ラストの "Blues" はアンコール曲と記されていますが三人の共作です。

Cleopatra's Dream CLEOPATRA'S DREAM
Alfa ALCR-230 (Japan) 1992

1. Moonlit Desert
2. I Didn't Know What Time It Was
3. Right On
4. Cleopatra's Dream
5. What Are You Doing The Rest Of Your Life
6. Lite Bossa
7. Alice In Wonderland
8. Images
9. Hymn

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Alvin Queen
piano : Kenny Drew

Recorded at Easy Sound Studio, Copenhagen on June 22, 23, and 24, 1992.

The Falling Leaves
Live For Piece
THE FALLING LEAVES
Limetree MCD 042 (Netherlands)
1997

1 Falling Leaves
2 Stella By Starlight
3 All Blues
4 Django
5 In Your Own Sweet Way
6 Blues

Trio
bass : George Mraz
drums : Lewis Nash
piano : Kenny Drew

Recording Date : Zagreb,Yugoslavia (Croatia), October 20, 1990

as LIVE FOR PIECE
After Beat PCCY-30111 (Japan) 2006

1. Autumn Leaves
2. Stella By Starlight
3. All Blues
4. Django
5. In Your Own Sweet Way
6. Blues


 『KENNY DREW TRIO LIVE IN TOKYO』、2013年はケニーの没後20周年という事で数種の記念アルバムが発売(再発、編集物含)されています。その中の一枚で東京のクラブ「キーストン・コーナー」で1991年1月29日〜2月2日に収録された音源で、もともとは1998年に『STANDARDS REQUEST LIVE AT THE KEYSTONE KORNER TOKYO』のタイトルで2枚組CDで出ていたのですが(未入手です)、本盤は録音日は未記載ですがすべて別日の演奏で構成されたアルバムとの事です。メンバーは`80年代以降の殆どのアルバムで一緒の三人です。トラック1、3、8の三曲は前作未収録曲とのこと、その中では "Don’t Explain" が良いです。ビリー・ホリディ以外多くの歌手ヴァージョンがありますが、ウィントン・ケリーの代表作『WISPER NOT』にも収録されていたりピアノ譜も出ていたりと結構ピアニストにも人気の曲です。 "Caravan"や"St. Thomas"は日本人好みの曲で選ばれたのでしょう、"Caravan"の演奏は快演中の快演奏です。ライブ会場での演奏シーンを使ったカバーが嬉しいです。
Live In Tokyo (Kenny's Music Still) KENNY DREW TRIO LIVE IN TOKYO
- KENNY'S MUSIC STILL LIVE ON -
After Beat: PCCY-30210 2013

1. There Is No Greater Love
2. All Blues
3. Don’t Explain
4. Caravan
5. You Don’t Know What Love Is
6. St. Thomas
7. Yesterdays
8. Bluesology

Trio
bass : Niels-Henning Ørsted Pedersen
drums : Alvin Queen
piano : Kenny Drew

Recorded live at the Keystone Korner, in Tokyo, Japan, 1991.