FREDDIE REDD

 

 フレディー・レッド (Freddie Redd) 1928年5月29日〜2021年3月17日
生誕地はアメリカの大都市ニューヨークで、`40年代〜`60年代に最もジャズの中心地だった街でした。

割と子供時代からピアノとのふれあいは有った様ですが、本格的に練習を始めてジャズに向かったのは18歳頃らしく、丁度ジャズというジャンルが生地のニューオーリンズやシカゴからニューヨークへ移ってきて、この都市部にジャズ・クラブが誕生し、バップの夜明け、モダン・ジャズの創成期に入ってきた時代に成ります。
 `50年代に入って本格的にジャズ・プレイヤーとして活動、クラブやツアーで腕を磨いて幾つかのサイドメンとしての録音も記録されています。自身がリーダーとなった録音は`55年から`60年にかけて、Prestige、Blue Note、Riverside といった名門レーベルに数枚分残され、発売もされていましたが殆ど知名度は得られなかったようです。その様な中で演劇である「The Connection」という舞台劇の音楽を担当したことがキッカケ少し知られる様に成ったとの事、最初はプレイより作曲面で評価されたとも言えるピアニストだった様です。そしてこの演劇と音楽アルバムで共演したジャッキー・マックリーンが、わたしが好きなジャズマンの最重要者だったことが、フレディ・レッドというピアニストにも興味を持つようになったのでした。バップ期のジャズ・ピアニストとしてはサイドメンとしての活動が少ない人で、聴くにはリーダー作が主に成りいつの間にか所有数も増えてきました。。

 彼のリーダー作を発表年順ではなく録音順を経歴資料で見てみると`61年1月〜`71年7月のほゞ十年間に録音履歴がありません。その`70年代すら`71年に一回だけ録音の後次は`77年です。おおよそ15年間ほどはまともに音楽出版界との付き合いが無かった感じです。

 `61年以降ヨーロッパのフランスやデンマークで過ごしアメリカに戻ったのは`74年頃だったという事です。
フレディー・レッドも(帰国したとしても)ケニー・ドリューやミシェル・サルダビー同様、ヨーロッパの音楽事情を経験していたのです。
ひとつだけ明らかに違うのはケニー・ドリューやミシェル・サルダビーは日本の音楽業界や日本のファンに愛されてのにフレディー・レッドは、世界的にみても人気がどうのこうのと話せるピアニストでは無いという位置の人でした。 「`60年代のジャズを好きな人たちなら知っているでしょう」程度の認知度かも知れません。 もともと、バド・パウエルやオスカー・ピーターソンのように、テクニックで知られた人でもなく大ヒット作を出した訳でもなく少し作曲能力がある中級のピアニストという評価の人です。
 ただ、どこかに [都会の中の静けさ] といった哀愁感のある風情など、情緒・情感を凄くうまく表すことが出来るピアニストだと思いますので、日本人受けしてもよい人だとは思いますが。


  下記は購入順や録音順でなく、オリジナル盤 (LP,`80年代後半からはCD) の発売順です。

 『INTRODUCING THE FREDDIE REDD TRIO』、初のリーダー作、1955年フレディー・レッド・トリオのデビュー盤ですが、オリジナルの10インチLPの入手は既に困難で、入手しやすいのがこの4枚組CDセットということでした。わずか4曲の為でしたが、既入手盤3枚以外にフレディーのリーダー作扱いではない、ジーン・アモンズやハロルド・マギー、ロルフ・エリクソン名義で参加していたアルバムが入っていたのでそこそこの納得です。原盤はPrestigeとBlue Note から。持っていた『WHEN FARMER MET GRYCE』の収録曲は8曲乍ら、フレディー参加の4曲のみが収録されていました(残りの4曲のピアノはホーレス・シルバー)。4曲のうち、"The Things We Did Last Summer" 以外の3曲は再演盤が有りますが、この曲のみは持っている盤での重複演奏は有りませんでした。印象的なのは "Lady J Blues" でフレディーの作り出すメロディーの良さを感じます。オリジナルデザインはこの4枚組セット盤の下段再左のジャケットです・

 『SAN FRANCISCO SUITE』、ニューヨークで生まれ育ったフレディがサンフランシスコへの旅の思い出を組曲にして綴った曲がメインのアルバム。自身の名を冠したアルバムとしては2作目に成ります。フレディーはヨーロッパで過ごした後アメリカへ戻りますが最初に住んだのは西海岸です、この土地の想い出が余程強かったのでしょう。
バップ期の録音ながら、その雰囲気があまりなく緩やかな流れで街を散歩している様な感じで聴ける曲調です。
 「旅する詩人」的な印象です。
ジャンルの壁を越えて聴ける組曲で凄く良い感じです。ジャズ・タッチでは "Minor Interlude" が気に成りました。
Introducing the Freddie Redd Trio / 6 Classic Albums INTRODUCING THE FREDDIE REDD TRIO
original 1955
SIX CLASSIC ALBUMS
4CD Real Gone Jaza RJCD417 (EU) 2013

[CD-1]
INTRODUCING THE FREDDIE REDD TRIO

1. Debut
2. Lady J Blues
3. The Things We Did Last Summer
4. Ready Freddie

Trio
bass : John Ore
drums : Ron Jefferson
piano : Freddie Redd

Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ. on February 28, 1955.

THE MUSIC from THE CONNECTION

[CD-2]
SHADES OF REDD

ALL STAR SESSIONS (Gene Ammons)


[CD-3]
ALL STAR SESSIONS (Gene Ammons)

THE MUSIC from THE CONNECTION (Howard McGhee)


WHEN FARMER MET GRYCE (Art Farmer)

[CD-4]
HIS AMERICAN STARS Rolf Ericson)
San Francisco Suite SAN FRANCISCO SUITE
original 1957
Riverside OJCCD-1748-2 (USA) 1990

1. San Francisco Suite:
  View of the Golden Gate Bridge from Sausalito /
  Grant Street (Chinatown) /
  Barbary Coast /
  Cousin Jimbo's Between 3 & 7 A.M. /
  Dawn In The City
2. Blue Hour
3. By Myself
4. Ol' Man River
5. Minor Interlude
6. This Is New
7. Nica Steps Out

Trio
bass : George Tucker
drums : Al Dreares
pPiano : Freddie Redd

Recorded at Reeves Sound Studios in New York. October 2, 1957.

 『GET HAPPY WITH FREDDIE REDD』、『INTRODUCING THE FREDDIE REDD TRIO』と同様、この一枚のみのアルバムを入手するより既に持っていたアルバムとのセット物の方が入手しやすかったのでこの2枚組を入手しました。LP盤としてのオリジナルは1958年英国 PYE傘下のNixa レーベルですがその前に初出盤があり、それがスウェーデンのMetronome レーベルから発売されていたEP盤(トリオ盤とクァルテット盤)でそれらを組み合わせて発売したのがNixaでのLP盤だったという事らしいです。
 クァルテット演奏の4曲はEP盤で発売時にはフレディーはサイドメン扱いでペット奏者の二人双頭名義だったようです。そしてフレディー名義のトリオ盤の方は『IN SWEDEN』というタイトルで日本のBaybridge(テイチク)レーベル発売盤に組み込まれていました。『IN SWEDEN』のCD化盤を先に持っていましたので、 2,4,7,9 のホーン入り4曲のみの為にこの2枚組を入手したことに成りす。トリオ演奏曲は下記の『IN SWEDEN』で。
 ホーン入りの4曲はハードバップ全盛期らしい演奏で気に入っています。楽しいのはベニー・ベイリー作の "Ohio"。

 『THE MUSIC FROM "THE CONNECTION"』、ジャッキー・マックリーンをフィーチャーしたアルバムでフレディー・レッドのアルバム中、一番知名度の高いアルバムです。[The Connection] という舞台劇のための音楽で、作曲担当がフレデイー・レッドで、どの曲も印象的なメロディーを持っていて、それらの曲中多くでリードを取るマックリーンがフィーチャーされています。特に "Wigglin'" のメロは一度聴いたら頭に残ります、麻薬がテーマという事ですが、その世界から抜け出そうとする情景が浮かびます。フレディーのピアノは脇役に近い感じを受けてしまいますが、控えめなタッチが全体の出来を良くしているのでしょう。ドラムスのラリー・リッチーはマックリーンのアルバムで共演済みの人です。
 ゲストのマックリーンはマル・ウォルドロン・の『LEFT ALONE』やソニー・クラークの『COOL STRUTTIN'』などピアニストの日本におけるベストセラー・アルバムにほぼ係わってきた人です。
 マルもソニー・クラークもそしてこのフレディーをも聴きだしたキッカケはマックリーンのおかげです。
Four Classic Albums / Get Happy with Freddie Redd GET HAPPY WITH FREDDIE REDD
original 1958
FOUR CLASSIC ALBUMS
2CD Avid EMSC 1263 (UK) 2017

[CD-1]
GET HAPPY WITH FREDDIE REDD

1. Get Happy
2. Guessin'
3. Studio Blues
4. Tunnelbanan
5. Farewell To Sweden
6. Dawn Mist
7. Duo
8. Beautiful Adela
9. Ohio
10. Blues X

Tracks : 1,3,5,6,8,10
Trio
bass : Tommy Potter
drums : Joe Harris
piano : Freddie Redd

Tracks : 2,4,7,9
Quartet
bass : Tommy Potter
drums : Joe Harris
piano : Freddie Redd
trumpet : Benny Bailey, Rolf Ericson

recorded at Stockholm, Sweden, September 5-18, 1956.

THE MUSIC from THE CONNECTION

[CD-2]
SAN FRANCISCO SUITE

SHADES OF REDD
THe Music from "THE CONNECTION" THE MUSIC FROM "THE CONNECTION"
Freddie Redd Quartet with Jackie McLean
original 1960
Blue Note TOCJ-9075 (Japan) 1993

1. Who Killed Cock Robin
2. Wigglin'
3. Music Forever
4. Time To Smile
5. Theme For Sister Salvation
6. Jim Dunn's Dilemma
7. O.D.

Quartet
bass : Michael Mattos
drums : Larry Ritchie
piano : Freddie Redd
alt saxphone : Jackie McLean

Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey. on February 15, 1960,

 『SHAPES OF REDD』、ジャズ界の最重要レーベル Blue Note から発売された盤でレコーディング・エンジニアはルディ・ヴァン・ゲルダー担当ですので、再発頻度は高いうえにフレディー・レッドのアルバム紹介の中で先ず最初に挙げられるアルバムなので結構知られた作品です。
一曲目の "Thespian" から既に独特の曲調テーマで始まります。ホーンはジャッキー・マックリーンとティナ・ブルックス。 "Blues-Blues-Blues" は熱くはないのにルーツにハード・バップを感じるこれまた独特の曲で好きな曲です。 "Shadows" はピアノよりもホーンが中心の曲、全曲オリジナルながらマックリーンやブルックスとの共演が生かされている感じです。 "Swift" は如何にも Blue Note 吹込みと思えるようなジャズを感じられる曲。 "Olé" は何故か南米を思い浮かべる曲調、ここもホーンが出てきて良い感じになります。トランペットなしのサックス二管という構成ですが、当時としては少ない編成も気になりませんでした。

 『UNDER PARIS SKIES』 、ヨーロッパ(デンマークやフランス)で過ごした期間は10年間ほどあったはずなのに、その期間の録音は今のところこのアルバムしか発表されていません。(おそらく唯一の録音だったのでしょう)
ベースとドラムス担当はフランスのミュージシャンで知らない人たちです。
 「サンフランシスコ組曲」と同様彼のフランスに対する印象が綴られているのだと感じます。"Bleeker Street Blues" (Bleecker Street ではない) などあきらかに風景描写感がでています。"You" もフレディーの特徴が良く表れています。
Shades of Redd SHADES OF REDD
original 1961
Blue Note TOCJ-4045 (Japam) 1993

1. Thespian
2. Blues-Blues-Blues
3. Shadows
4. Melanie
5. Swift
6. Just A Ballad For My Baby
7. Olé

Quintet
bass : Paul Chambers
drums : Louis Hayes
piano : Freddie Redd
alto saxophone : Jackie McLean
tenor saxophone : Tina Brooks

Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey. on August 13, 1960
Under Paris Sky UNDER PARIS SKIES
original 1971
Futura FUTURA SWING 03 (France) 1996

1. Diane I Love You
2. Bleeker Street Blues
3. To Bud With Love
4. This Heart Is Mine
5. You
6. My God Is Love

Trio
bass : Didier Levallet
drums : Didier Carlier
piano : Freddie Redd

Recording on July 26, July 29, 1971. in Gaîté Paris.

 『IN SWEDEN』、まだ最初のアメリカ在住時だった`56年にスェーデンへのツアー旅行をしていた様でその時の録音二回分と米ニュージャジーでの`55年録音を加えた編集盤。米オリジナルでは全曲収録盤発売は無かった様で数曲が『GET HAPPY WITH FREDDIE REDD』1958盤内に収録された様です。そして1973年に`56年9月録音の12曲 (Metronome Records 所有音源) のみがテイチクレコードのジャズ専門レーベル Baybridge から発売され、そのLPが最初のアルバム形式としての初出版とのこと。
 27歳〜28歳頃の録音に成りますので年代的にも年齢的にも熱いハード・バップ風バッチリかと思いきや、既にどことなく情感あふれる雰囲気の演奏も既に数曲録音されていました。フレディーの人間性に触れた記事は見ませんが、常にクールで物静かな人だったのでしょうね・・・と音楽から性格まで想像出来そうです。
 バップ系演奏はスタンダードに多く "I'll Remember April"、"Get Happy"、"Bye Bye Blackbird"などの曲は特にピアノトリオのジャズ演奏として明らかに`50年代を感じます。オリジナルではトップの "Dawa Mist" がスタンダード群に負けないくらい良い出来だと思います。"Farewell To Sweden" はフレディーの特徴が良く出たタイトルで曲の構成です。

 『STRAIGHT HEAD!』、`74年頃にヨーロッパから帰ってきて西海岸に住んだとの事ですがこのアルバムの録音は`77年12月です。どこか「気が向けば録音しよう」といった自由で焦らない感じの性格だと想像できます。録音地はハリウッドとジャズ界では歌手が主に思える地です。最初のLP盤は6曲収録、CD化の際に一曲追加されています。
そして、珍しくもセロニアス・モンクとバド・パウエルの曲を演奏しているのです。意外な選曲です。
"`Round About Midnight" は題名を知らされなければフレディーのオリジナル曲に思えてしまう演奏です、聴き応えあります。 "I'll Keep Loving You" はトリオ演奏でなくピアノ・ソロスタイル、左手のタッチが軽やかなのでバド盤オリジナルより奇麗な洗礼された音に聞こえクラシックぽく感じます、好みとしてはこちらに成ります。
`60年代の曲 "Olé" に続いてこの曲 "Braziliana" も南米イメージの曲、この曲も意外な一曲でした。

In Sweden IN SWEDEN
original 1973
Lone Hill Jazz LHJ10299 (Germany) 2007

1. Dawa Mist
2. Beautiful Adela
3. I'll Remember April
4. Reminiscing
5. Get Happy
6. Bye Bye Blackbird
7. Blues X
8. People's Park
9. A Night In Nalen
10. Blue Hour
11. Studio Blues
12. Farewell To Sweden
 Bonus
13. Debut
14. Lady J. Blues
15. Things We DId Last Summer
16. Ready Freddie
17. I'll Remember April
18. These Foolish Things

Tracks : 1- 12, 17, 18
Trio
bass : Tommy Potter
drums : Joe Harris
piano : Freddie Redd

Tracks : 13-16:
bass : John Ore
drums : Ron Jefferson
piano : Freddie Redd


recorded at
tracks : 1-12:
  Stockholm, Sweden, September 5-18, 1956.

tracks : 17-18:
  Folkets Park, Varnama, Sweden, July 30, 1956.

tracks : 13-16:
  Hackensack, New Jersey, February 28, 1955.

Straight Ahead STRAIGHT AHEAD!
original 1978
M & I MYCJ-30364 (Japan) 2006

1. Straight Ahead
2. Play Piano Play
3. Waltzin`In
4. `Round About Midnight
5. On Time
6. I'll Keep Loving You
 Bonus
7. Braziliana

Trio
bass : Henry Franklin
drums : Carl Burnett
piano : Freddie Redd

Recorded at United/Western Studio in Hollywood, CA on December 3, 1977.

 『REDD'S BLUES』、`61年録音で`88年発売の未発表音源集、ホーン三管プラスのセクステッ、ジャッキー・マックリーン、ティナ・ブルックス、ポール・チェンバース・・・そして Blue Noteにルディ・ヴァン・ゲルダー。ハード・バップの香りムンムンです。`60年代初頭はまだまだハード・バップも主流派だったようですが、次第にモード・ジャズとかファンキー・ジャズとか新しいスタイルも浸透してきていた時期、多くの同様な録音を抱えていた Blue Note はこのフレディ・レッドの録音を一旦お蔵入りセッションにしてしまったのかも知れません。すべてフレディーのオリジナルですが、ハード・バップ形態本来の構成でピアノがバッキングに徹する部分も多く、その反面ピアノがリードを取るときはスイングしたタッチで、ジャズ喫茶全盛時のあの雰囲気を蘇らせてもらえます。好きな者には納得の一枚です。

 『EXTEMPORANEOUS』、オールピアノソロによる演奏アルバム。この邦盤ライナー妙中俊哉氏によると「録音されたのは1978年。インタープレイ・レコードが80年代前半に一時期休業していた時期があり、結局りりーすされたのは1988年であった。」と記されているので、オリジナルLPの情報を探ってみるとレコード番号から1988年発売で間違いないと思われます。そして4曲目の "Blue Notes" の作者 Hal Warren は妙中俊哉氏のペン・ネームだとか!
(一ケ所だけですが日本人作らしきメロディーが聴ける部分ありました)
 フレディーの多くの演奏スタイルから、ソロ・ピアノの方が似合いそうな感じを受けますが、全体を通して聴くと必ずしもそうでないと思うところ大です。曲にもよるのでしょうが、どのような控えめなバッキングであろうと少しのベースやドラムスの力も有ってあの独特の風情を感じる部分が生まれていたのだと思いました。
 フレディーらしさの特徴は希薄で繰り返して聴くことはないですが、貴重盤であることは間違いないでしょう。

Redd's Blues REDD'S BLUES
original 1988
Blue Note 7243 5 40537 2 6 (USA) 2002

1. Now
2. Cute Doot
3. Old Spice
4. Blues For Betsy
5. Somewhere
6. Love Lost

Sextet
bass : Paul Chambers
drums : Sir John Godfrey
piano : Freddie Redd
alto saxophone : Jackie McLean
tenor saxophone : Tina Brooks
trumpet : Benny Bailey

Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on January 17, 1961.

Extenporaneous EXTEMPORANEOUS
(Solo Piano) + 1
original 1988
Interplay / Absord Music ABCJ-530 (Japan) 2007

1. Night Song
2. I'm Sorry
3. Gateway East
4. Blue Notes
5. Syncopation Waltz
6. Extemporaneous
7. Unfinished Symphony
8. For Art's Sake
 Bonus
9. I'll Keep Loving

Piano : Freddie Redd

Recorded at United Western Studio in Hollywood, California on August 14 and September 23, 1978.

 『LONELY CUTY』、Uptown という小レーベルからの発売。録音はVan Gelder Studio と安心の場所です。ただ、カバー写真のフレディの姿を見ると白髪が混じり昔のモロジャズマン風貌から大工の棟梁風に変わっていました。50歳超えたところの筈ですが。編成はホーンが四管と七名コンボに成っています。全曲オリジナルですがメンバー変更後の再演奏が二曲ありますが、ピアノの良いところも無く全体的に覇気が無いというか、メンバーの多さが裏目に成った感がします。フレディーのアルバム中でも下位の部類じゃないでしょうか?

 『LIVE AT THE STUDIO GRILL』、フレディーが`80年代に録音した盤は二枚しか出ていません。『LONLY CITY』とこのアルバムです。`70年代の録音もアルバム3枚ほどですので、明らかにお金の為の演奏ではなく自由気ままなミュージシャンだったのですね。このアルバムは八曲中スタンダードが五曲とライヴらしい選曲です(1、4、6がオリジナル)。トリオ編成なのでピアノが全面には出ていますが、淡々と音が流れていくだけの様な感じで`50年代〜`70年代の頃の演奏に比べたらかなり劣る出来でしょう。
Lonely City LONELY CITY
original 1980
Uptown UPCD 27.30 (USA) 1990

1. After The Show
2. Bleeker St. Blues
3. Emily Reno
4. Thespian
5. Lonely City
6. Had Tadd In Mind

Septet
bass: George Duvivier
drums: Ben Riley
piano, Composed By: Freddie Redd
altos Saxophone: Clarence "C" Sharpe*
baritone saxophone: Gerry Cappuccio
tenor saxophone: Clifford Jordan
trumpet: Don Sickler

Recorded at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey on January 18 & 19, 1985
Live at the Studio Grill LIVE AT THE STUDIO GRILL
Triloka 182-2 (USA)
1990

1. I'm Gonna Be Happy
2. I'll Remember April
3. I'll Keep Loving You
4. Don't Lose the Blues
5. 'Round Midnight
6. Waltzin' In
7. For Heaven's Sake
8. All The Things You Are

Trio
bass : Al McKibbon
drums : Billy Higgins
piano : Freddie Redd

Recorded at Studio Grill, Hollywood, CA on May 19 & 26, 1988

 『EVERYBODY LOVES A WINNER』、草むらに椅子を置いてのポージングという安易な写真のデザイン。ジャズ・ファン向けへのセールス意欲が感じられない雰囲気です。髪も染めてソウル・ファン向けへのアルバムの様です。
おまけに録音がジャズよりロック・ポップス系ミュージシャンの録音が多い Fantasy Studios です。
 内容の方はホーン三本入りの六重奏団編成、『LONELY CITY』でホーン四本も入れていながら散漫な感じがしていましたので、期待薄でした。全体的には『LONELY CITY』よりは少しマシですが、緩めのハード・バップ・スタイルです。Blue Note で永らくお蔵入りしてしまっていた活気のあるハード・バップ『REDD'S BLUES』と比べたら、ジャズ界も良い時代になったのかも知れません。"And Time Marches On" は救いの一曲、この曲のみはジャズ喫茶黄金時代に流れていても違和感のないスロー・ナンバーでしょう。

 『MUSIC FOR YOU』、記録によると『EVERYBODY LOVES A WINNE』(`90年録音) のあと『FREDDIE REDD AND HIS INTERNATIONAL JAZZ CONNECTION』(`91年録音) というアルバムを出した後、ほぼ隠居状態だった様ですが、2013年〜2014年にかけて20数年ぶりに録音していました。このアルバムは2014年11月録音とのこと、実に86歳になっているのです、驚きです。確かに表の写真を見れば20年以上を経たのが判りますが。
`90年録音の『EVERYBODY LOVES A WINNE』がホーン楽器に頼り切ってユルユルダルダルに聞こえた感じでしたが、本作はトリオ演奏。スタンダード曲が中心ですが確実に楽しめる演奏です。 "There Will Never Be Another You" は笠井紀美子さんのソロ・デビュー・アルバムトップの曲で個人的にも忘れられなく好きな曲です。"I'll Remember April" ではドラムスが良い感じです。ベースもドラムスもフレディーより20歳以上若いセッションマンの様です。録音スタジオが未記載なので判りませんが、レーベルが Steeple Chase なのでデンマーク録音か米国録音でミキシングがデンマークだと思われます。
Everybody Loves a Winner EVERYBODY LOVES A WINNER
MIlestone MCD-9187-2 (USA) 1991

1. Give Me A Break
2. One Up
3. Melancholia
4. Everybody Loves a Winner
5. So Samba
6. And Time Marches On
7. One Down
    CD bonus
8. Fuego de Corazon

Sextet
bass : Bill Langlois
drums : Larry Hancock
piano : Freddie Redd
trombone : Phil Ranelin
tenor saxophone : Teddy Edwards
alto saxophone : Curtis Peagler


Recorded at Fantasy Studios in Berkeley, CA. on October 9-10, 1990

Music For You MUSIC FOR YOU
Steeple Chase SCCD-31796 (Denmark) 2015

1. There Will Never Be Another You
2. Blues For You
3. How High The Moon
4. All The Things You Are
5. Cherokee
6. Round About Midnight
7. Perdido
8. Lover Man
9. I'll Remember April

Trio
bass : Jay Anderson
drums : Billy Drummon
piano : Freddie Redd

Recorded  on November 2014

 『WITH DUE RESPECT』、前作『MUSIC FOR YOU』と同日録音音源とその三か月ほど後の録音から構成されていますが本作は種々ホーン楽器が加わっています。2014年11月録音分にもホーンが入った曲が録音されていたが、前作はトリオ演奏曲のみが選曲されたと捉えるのが妥当でしょうか。
 タイトル曲以外はかなり昔の曲が選ばれています。フレディー30歳代頃に良く演奏していた曲でしょう。
 "A Night In Nalen"、 "Reminiscing" は『IN SWEDEN』でトリオ演奏での収録でしたがここではホーン楽器が加わった演奏アレンジです。前者はかなりホーンが活躍したアレンジです。後者はオーボエがその音色をうまく生かしたアレンジが施されています、アレンジャーはChris Byars氏。"Blue Hue" は往年のハード・バップ期の演奏を思わせる演奏でした。"O.D." も 『THe Connection』時代を想い起させる演奏ですし、その後の3曲も20歳以上離れたサイドメンたちと一緒に80歳半ばで振り返る想いが微笑ましく感じられる温かみを感じる演奏です。

 『REMINISCING』、2013年 Bleebop Records による録音音源でフレディ名義によるアルバム(もう一枚ブッチ・ウォーレンとの共演盤も発売されていた模様)。丸八年も経ってからの発売に成りますが再発ではなく新作です
 発売日記録はフレディーの亡くなる一カ月ほど前になっていますので、追悼盤という形ではなさそうですが、結果的にその意味合いに近い発売に成っています。
 [レミネシング] というタイトルを意識してか、カバーデザインには、LPレコード盤が長く入っていたかのような丸い擦れ跡が意図的に記された物に成っています。"Reminiscing" という曲自体はフレディが`50年代にスェーデンへ行ったときに書かれた曲ですが、80歳代に成って演奏するのも気持ち的には変わった意味合いなのでしょう。翌年、『WITH DUE RESPECT』でも録音しています。録音地はボルチモア。後年をデンマークで過ごしデンマークで亡くなったケニー・ドリューが、「最後はボルチモアに住んでみたい」と言っていたという記事を読んだ記憶を思い出しました。ヨーロッパからは確かに近く伝統ある街のため、東海岸地域生まれのアメリカ人からしたら思い入れが有るのでしょうか。
  "Oh! So Good"、"Love Is Love"、"Blues Extra" などは`30年代のアメリカ映画のシーンを想い起します。フレデイーが子供時代によく聴いたジャンルの音楽なのでしょう。"Shadows"、"Once In A Life Time" も同時代の音楽を意識した感じですが、その時代その街の雰囲気を映画でしか知らないわたしには想像の範囲内でしか感じ取れませんが。6曲目、7曲目は若手時代の再演。
 楽しめるアルバムには違いないのです、但しそれがすべての年齢層に対してかというとそうではないので、それが八年間も未発表に成っていた要因なのかも知れません。フレディーにとっての【温故知新】的な作品で、発表されたことは凄く意義がありそうです。
With Due Resoect WITH DUE RESPECT
SteepleChase SCCD 31817 (Denmark)
2016

1. A Night In Nalen
2. Reminiscing *
3. Blue Hue
4. With Due Respect
5. I'm Gonna Be Happy
6. O.D.
7. Olé
8. Lady J Blues
9. Melanie

Sextet
bass : Jay Anderson
drums : Billy Drumond
piano : Freddie Redd
alto saxophone, flute : Chris Byars
trombone : John Mosca
bass clarinet : Stefano Doglioni
* track 2
sextet + one
oboe : James Byars

Recorded on November 2014 & February 2015
Reminiscing REMINISCING
Bleebop #2119 (USA) 2021

1. Oh! So Good
2. Love Is Love
3. Shadows
4. Blues Extra
5. Once In A Life Time
6. Reminiscing
7. Blues X
8. There I Found You

Quintet
bass : Michael Formanek
drums : Matt Wilson
piano : Freddie Redd
tenor saxophone : Brad Linde

plus
tracks: 1, 2, 4, 6, 7, 8
  tenor saxophone : Brian Settles

track: 3
  alto saxophone : Sarah Hughes

track: 5
  soprano saxophone : Sarah Hughes


Recorded at An Die Musik in Baltimore, MD on January 24-25, 2013




 ジャズ・ミュージシャンの場合、他のジャズ・ミュージシャンのコンボやリーダー作に参加することはごく普通の形態で録音の際も同様です。下記は他のジャンルで活躍しているミュージシャンのアルバムに参加した稀なアルバムに成ります。
 `70年代に活躍したシンガー・ソング・ライターのジェームス・テイラー、私的にはキャロル・キング絡みで少し聴いた人でしたが、ジョージ・ハリスンの "Something" がジェームス・テイラーの "Something In The Way She Moves" の歌詞に触発されて作られたという事で知ったのがこの Apple Recoeds からの`68年デビュー盤でした。
 『JAMES TAYLOR』、全体的にフォーク・ロック系の出来ですが、Aeolian String Quartet という弦楽四重奏団が参加した曲もあり、アメリカン・スタイルを感じない構成です。ビートルズが設立した会社ですので録音は勿論英国でピーター & ゴードンのピーター・アッシャー(ポールの元ガール・フレンド)がプロデュース。
 その中の一曲 "Carolina In My Mind" に何故かフレディー・レッドがオルガン (ピアノではなく) で参加していたのです。この時期にフランスでなく丁度イギリスに居たのか理由は定かでありませんがクレジットされています。ただこの曲のオルガンが他の人で有っても特に変わりなさそうなので、不思議です。曲はわたしの好きなテネシー州周辺の音楽を思わせる曲調でアメリカンっぽい自然を感じる事が出来ます。
James Tayler / James Tayler JAMES TAYLOR
James Taylor
original 1968
Apple TOCP-6891 (Japan) 1991

1. Don't Talk Now
2. Something's Wrong
3. Knocking Round The Zoo
4. Sunshine Sunshine
5. Taking It
6. Something In The Way She Moves

7. Carolina In My Mind *
8. Brighten Your Night With My Day
9. Night Owl
10. Rainy Day Man
11. Circle Round The Sun
12. Blues Is Just A Bad Dream


* track 7
organ : Freddie Redd
bass ; Paul McCartney

Recorded at Trident Studios in London. on 1968.